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A型利用の基準
障害者の就労を支援する制度に就労継続支援A型事業があります。これは障害の特性や個人の事情等により、今すぐに一般企業で働くことが難しい方を対象にしております。利用者は、障害のことや配慮事項また社会人スキル及び職業技能を習得することが求められています。このA型事業は5つの評価項目で事業の成果を判定して、国が報酬額を決める基準にしています。5項目は、1日当たりの労働時間、生産活動の成果、多様な働き方に適した労働規約の整備、福祉支援力の内容、地域連携活動の有無になります。 令和6年度からは、特に生産活動の成果の規定が明確になり、制度では「生産活動に係る事業の収入から 生産活動に係る事業に必要な経費を控除した額に相当する金額が、利用者に支払う賃 金の総額以上となるようにしなければならない」こととされています。奈良県や奈良市は、事業所の状況把握を行い、事業所が当該基準を満たしていない場合は「経営改善計画」を提出させることとしています。 この生産活動について、過去3年間で一度も黒字になっていない事業所は、スコア点数がマイナス20点になる措置が示され、このスコア点数をHP等で公表することが求められています。 奈良県内には、令和6年3月1日現在、A型事業所が54カ所あり、その内令和4年度の実績では、21カ所(31% 未提出事業所を含む)しか黒字の事業所はありません。 このスコア点数制度は、福祉事業所の支援の質を向上させ、利用者が安全な職場環境で働くイメージを膨らませて、正確に労働することで得られる成果(賃金)が判断できることを目的にしています。 近年マスコミ報道などでは、事業者が制度の趣旨を理解することなく、軽作業や簡単な仕事と称して、安易に利用者を集め最低賃金を支払うために必要な生産活動からの収入がないのに、国から支払われる報償金の多くを流用して、利用者に賃金として支払っている事業所があります。 これからA型事業所の利用を検討されている方は、WAMやHPで公表されているスコア点数を確認して、希望する職種を参考に関係機関と相談して、最適な事業所を選択されることをおすすめします。