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集団のパワー
昨年の10月から毎月事業所の見学会をしています。毎回数人の方がお越しになります。目的は奈良の関係機関と障害者支援についての認識を共有するためです。障害者自立支援法に定められている福祉サービス制度には、生活介護支援と就労訓練を目的としたものがあります。奈良県下には生活介護系の受託事業者が約1,000社あり、就労訓練の事業者も約180社あります。それに行政や学校などの関連機関を含めると1,500を超えるほどの関係機関数になります。
近年、障害者が就労することがようやく一般的になっても、福祉事業者の考え方や支援の在り方はまだまだ多様です。それだけに関係機関を通じて福祉サービスを利用する障害者は、なにを基準に判断をすればいいか、また利用することでどのような未来が開けるのか・・選択に戸惑ってしまうことがあります。奈良では利用される方の大半は、行政、相談事業者や学校の進路担当者からの紹介になります。障害者が福祉サービスを利用する場合も、いくつかの担当機関を経ることになります。教育や医療と違って、利用者が直接福祉事業所を訪問するケースは少なく、中間に行政や相談機関が介在します。そうすることで障害者個々の希望や状態に応じたサービスの提供がなされる可能性が高くなると考えられています。
見学会はぷろぼのが行っている事業のすべてを見ていただくことを心がけています。一般就職の訓練を目的にした事業(就労移行支援事業)や就労のための実習や働く場の開拓や構築をしている部門(就労継続支援A型及びB型事業)を細かく見ていただいています。特に就労移行支援事業では、2年間の有期利用なので、訓練プログラムや職業能力評価が重要になるので、利用者の就労の可能性についての評価の根拠をお示ししています。ぷろぼのは障害種別に関わりなく、就労を希望される方に利用してもらっているので、障害特性の判断や個人の才能について、多様な評価方法を準備する必要が生じてきます。また就労継続支援A型及びB型事業でも、従来障害者では難しいと考えられていた業務に取り組んでいます。このような取組によって、お一人おひとりの職業能力評価を基に、多くの業務を担う可能性を広げることができるようになります。
本来、福祉は人が地域社会で生活し働くための基盤であると認識しています。ですから福祉に携わるすべての関係機関が共通認識のもとに情報を共有し、連携して「障害者が働くこと」を支援する体制が構築できれば、それは集団のパワーとして安定して大きな力になり、福祉の真の目的を担うことができると信じています。
「働かざる者食うべからずなり・・ではなく、みんなで一生懸命に働きおいしいものを食べたいものです。」