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障害と障害者の違い

現在、障害者制度改革推進会議で障害者の新たな制度づくりについて検討されている。
障害者基本法の総則の「目的」で、“障害者が障害者でない者と等しく、すべての基本的な人権の享有主体であることを確認し、かつ、障害の有無にかかわらず、国民が分け隔てられることなく相互に個性と人格を尊重する社会を実現するため、障害者の権利の実質的な確保並びに障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策に関し、基本的理念を定め、及び国、地方公共団体等の責務を明らかにするとともに、その施策の基本となる事項を定めること等により、障害者の権利の実質的な確保並びに障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策を総合的かつ計画的に推進することを目的とする。”と改正についてのイメージが書かれている。
これを基本に、「定義」では、
“1)障害の定義を、身体障害、知的障害又は精神障害その他の心身機能の損傷とすること。2)障害者の定義を、障害があり、かつ社会における様々な障壁との相互作用により、継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限をうける者とすること。”と書かれており、、「障害」と「障害者」を区別している。従来の、障害があるものを障害者とする・・との認識から一歩踏み込んで、“社会における様々な障壁との相互作用により、継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限をうける者”との表現が加味されている。
「障害」についてのイメージ調査はほとんどない、以前に奈良市で市民向けに高齢者福祉や障害者福祉についての調査が計画されたが、一部の精神障害者団体から、障害及び障害者のイメージを間違って誘導してしまう可能性が生じるとのことで中止になっている。
それほどデリケートな問題ではあるが、「障害」についてお聞きしてみると、身体、知的、精神、最近では発達や難病、高次脳機能などの「障害」として認識しているように感じる。それが「障害者」となると意味がまったく違ってくる。まだまだ障害者とは、配慮が必要な人、見守りが必要な人、寝たきり、能力的に問題がある、などの印象が多く出てくる。心身の状態ではなくて、対象や現象のようにとらえる傾向がみられ、障害がある人が「障害者」であるとストレートな理解にはならないようである。
私が障害者生活12年間で体験した事例を紹介すると、私に障害があることを相手が分かった時点でそれまでの態度が微妙に変化するケースによく出会っている。急にやさしくなったり、冷たくなったり、事務的になったり、いろいろである。これらを私はいつも“温かい配慮”として受け止めるようにしている。それは多くの場合に一般の方は障害の内容や特性などをその場では分からないケースが多いので、社会人としての常識に沿っての対応と考えている。これから障害者が普通に地域で生活していくためには、「障害者」についての啓発活動の大切さを感じている。

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