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選挙から生み出すもの

 奈良でも毎日選挙カーの声が大きくなってきました。真夏の選挙なので候補者も体力勝負のようで大変でしょうね。水分補給や食事、睡眠の確保など投票日まで元気で頑張ってほしいものです。この時期になると「一票の重み」について、考えることがあります。今の日本では誰もが当たり前のように自由に発言ができます。政治への選挙権や参政権も成人になるにしたがって獲得できます。せっかくの権利をこの機会に行使するかどうかは個々人の判断ですが、投票することで、少なくてもこの国の将来に確実に自らの意思を表明したことになります。結果は多数決ですから必ずしも自らの思いがかなうわけではないのですが、それでも行動したことは評価されることになります。
 障害分野では今年の4月に成年後見人の制度を利用している知的障害者や認知症の方に対して、この参院選等から後見人が付いた成年被後見人にも選挙権と被選挙権が認められることになりました。公職選挙法の11条では「選挙権及び被選挙権を有しない」と特定の人に選挙権を認めない排除規定が設けられていました。そこから「成年被後見人」の項目が削除されました。成年被後見人を利用されている方は昨年末時点で約13万6千人います。このように国民の当然の権利である選挙権を獲得するために、頑張っている方たちがいることも知っておきたいものです。
 選挙の結果は政治や行政の施策に大きく影響を与えますが、中でも福祉分野は切実です。政治の方向が社会保障全般に積極的であれば、当然障害福祉の施策も現状より少しは改善されていきます。そうでなければ、現場は現状を維持するために以前にもまして、最大の努力をすることになります。新しい体制になっても、政策の立案、予算の再編成、人員配置や組織づくりなどの事前の準備が始めることになります。ですから私たちが効果を実感できるのは早くて2年~3年先になります。少し気の長い話のようですが・・それでも選挙権を行使し、この国や地域の政治に参加したことが将来の私たちの可能性を広げることになります。
 このところ、ぷろぼのの動きも少し慌ただしくなってきました。その一つに以前から準備をしていました「障害児向けの放課後等デイサービス」事業を8月から生駒事業所でスタートすることになりました。名称は「ぷろぼのスコラ」です。養護学校など特別支援教育を受けている方で、主に高校生を対象にしています。これは障害があることで教育の機会や社会人としてのスキルの習得に遅れがでることに配慮したものです。内容は、“楽しく社会人スキルを学ぶ”をテーマに、遊び、体力づくり、勉強やパソコン操作などを学ぶことができる場になっています。この事業も昨年4月に児童福祉法等が改善されたことで、このような制度が生まれました。
 この事業を通じて将来、障害のある方にとって、社会での生活や就労に役立つものになることを目指しています。

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