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自然農の若者たち

奈良でも若者たちが、自然な農法による作物の栽培に取り組んでいる。奈良の東部に標高500メートル以上の高原がある。都祁(つげ)地区で地元のお茶農家から農地をお借りして、大和茶の栽培をしている若者集団がいる。この地域でも同じように高齢化が進みお茶農家の後継者の不足があり、仕方なく長年続けてきた茶畑を放棄する方も出始めている。そこに若者たちが自然の農法に魅力を感じて、またそのような農法を指導してくれる自然塾などで指導を受けて、この地区で長く受け継がれている農法と組み合わせて、自然なお茶の栽培を再開し始めている。高齢化した農家の長老たちも彼らの頑張りや生真面目さを評価してくれたのでしょうか、積極的に指導や農機具や農地の貸付に応じてくれている。ともすれば田舎の人間関係が煩わしいとの風潮があるが、実際に触れているととても温かく、親切で有り難い関係である。若者たちはそこでこの地域に伝わっている「大地の恵み」を自然に逆らうことなく、栽培する自然農法でおいしいお茶を生産し始めている。「大和茶」の産地として小さな地域が元気を取り戻し始めている。彼らは生産とともに販売も始めている。自らの手で商品名や製品内容を書き、パッケージをデザインし、価格を決めて、販売先の開拓を始めている。以前には天秤棒やリヤカーに野菜などを積んで売り歩く光景が見られたが、彼らは今流の販売場の開拓や自らも販売場を作る勢いを見せている。インターネットでの販売では全国の自然なお茶を求める方に、そのおいしさを届けるための販売サイトも運営している。
このような自然な農法には、なにか人を素直にし、人が自然に集まってくる魅力があるような気がしている。人が生き物として心に刻まれている「生命の素」のような感動なのでしょうか。
障害福祉の基本は、”誰でもが交われる地域社会の構築”である。垣根もなく、特別な扱いもなく、ごく自然に生活をおくることができる社会空間づくりである。自然農に関わっている彼らにはその自然な人の営みを強く感じることができる。これからの彼らとの交わりがとても楽しみになってきた。 

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