ブログ
素朴な現代人に・・
「現代人」という呼び方は、いつのまにか21世紀の初頭に生きている人たちを表現した“素朴なもの”から、いつのまにか“近代的なセンスを持ち、おしゃれな生き方をしている人”を示すようになってきました。数年前には「KY」なる流行語が生まれ、内容は友達間の微妙な空気感、人間関係が分からない人たちを示すもの・・でした。私たちは、いつからこのように社会のルールを複雑にし、以前にあった村や長屋などの、素朴にお互いの生き方や違いを分かり会える社会を捨ててしまったのかを考えてみました。
昨年、障害者基本法が改正されて、第二条(定義)で、精神障害の中に「発達障害」が明記されました。発達障害には、主に、広汎性のアスペルガー症候群、知的障害のある自閉症、学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、運動能力障害などがあります。また発達障害者支援法の第167号で発達障害者を雇用した場合には、発達障害者雇用開発助成金が具体的に定められ、発達障害者の社会参加や就労を支援する準備がはじまりました。
中でも、アスペルガー障害の方は知的障害がなく一般的なIQを持っているので、人によっては学歴や職歴が高い方がいます。障害特性は、社会性、興味の対象、コミュニケーション力に課題があります。少し以前の時代の表現では、彼らを、少し変わった方、個性が強い方、頑固で偏屈・・、また一芸に優れている方、孤独を好む方、人見知りの強い方・・と言われていたようです。このように一人で黙々とモノづくりに取り組む方も多くいます。
しかし時代が進み、職場もチームで互いに助け合い、業務を分担して行うことが、生産性の高い経営には最適である・・などが態勢を占めるようになると、いつしか発達障害の特性である、協調性が不得手である点が顕著になってきてしまいました。産業も製造業からサービス業が7割以上を占めるようになると、職場では余計に機転の利いた、細やかな対応が求められ、徐々に発達障害の特性が社会から排除されるようになってきました。
身体障害など障害によっては、外見から明らかに障害特性が分かる方には、バリアフリー化が進み、多目的トイレや点字ブロックの設置、手話、大きな文字やルビなどの社会的な配慮や理解が進んでいます。しかし発達障害の特性は、外見では判断できない場合が多々あります。発達障害の特性についての理解が遅れると、彼らはいつしか他者との交流が少なくなり、社会性を身につける機会が失われてしまいます。結果的に、現代社会が彼らに「二次的な障害」を作ってしまうことになります。
「KY」であっても受け入れられる「新現代的な社会」になることを期待して、これからも日々の活動を続けていきます。