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福祉施設の魅力 その5
暑い夏が過ぎて朝晩は過ごしやすい季節になりました。クールビズから長袖が似合うようになりました。季節の色合いとともに服装が変わるとまた新たな気持ちになります。福祉の施設もこのような四季の移り変わりや彩りに敏感であることが大切になります。日本で生まれ育った方は、地域にかかわらず四季の変化を自然に体で感じてきています。先人も齢を重ねても、空、山や川、木々、太陽の光などに包まれて生きてきたのです。
それがいつしか季節の移り変わりが、デパートや商店街のイベント告知や装飾、スマホサイトなどで季節を実感するような生活が、都会では一般的になってきています。近代的なビルにあるオフィースで白や黒を基調とした色合いのデスクが規則正しく並んでいる、そのような職場環境を文化的で先端的な印象をもつ時代になってきました。科学や文化が先進性を図るバロメーターになっています。
近年、人型ロボットの開発が進んでいます、人を見て笑い、話、挨拶をする・・などの高機能なロボットが作られています。私達福祉の現場にも、話し合い手ロボットやバイタルサイン測定・通信、及び介護支援ロボットなども導入されるようになりました。科学技術の進歩はめざましいのですが、同時にその運用面などで人間社会での文化的な要素である、安全性、快適性、協調性などが議論されるようになってきています。
科学技術の進歩や文化レベルの向上、引いては職場での生産性の追求など、ますます人工的な要素が人間社会に浸透し、「自然」の要素を駆逐するようになってきています。福祉の施設に、精神疾患を訴える方の利用が急増しています。今まで頑張ってきた経歴のある方もたくさんおられます。ふと、どうして彼らが精神的に追い詰められたのかを思うたびに、「自然」との関わりの薄さを感じます。
自然の中で生かされている人間が、自然から乖離して、いつしか自らの科学で被害を受ける、不思議な現象が起きているのかもしれません。ロボットに人の所作をプログラムするために、「再度、人を検証する」などの研究が進んでいると聞きます。この機会に「自然と人、そして科学」が共存できるバランスの良い社会づくりを模索したいものです。
福祉の役割は、誰もが幸せになるために、多様な生き方や働き方があることを認め合うこと、なのでそれを目指して前進していきます。