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福祉を科学する

障害者が社会的な自立を目指す福祉制度では、障害者に認定された方で日常的な生活や社会参加に支援が必要な方が利用する、福祉施設が地域に設置されています。また就労についても訓練や社会人マナー、コミュニケーションを習得する福祉的な職業訓練を目的にした福祉施設もあります。ここでは障害者の自律や自立を目的に、自ら考え、行動し、できることを増やし、いずれは社会人として自立することを目指しています。

障害者福祉制度は戦後に制度化されたものですが、福祉施設の役割は、長い間、日々の見守りを目的に居場所でした。それが平成18年に障害者も働くことを希望されるならば、そのために必要な知識や技術を学び、経験することができるようになりました。ぷろぼのでは毎年40人以上の方が奈良や大阪、東京の企業に就職され、働き方も会社に通勤することだけでなく、自宅でテレワーク就労している方もおられます。

このように自律と自立が主体になる福祉では、思いや知識、技術の習熟度を的確に把握することが求められるようになってきました。学校教育で教科の成績により学習度を把握する方式に近くなってきました。福祉の現場では、社会人マナーや技術として、“挨拶、礼儀作法、コミュニケーション力、報連相、時間管理”などの科目を学ぶことになり、座学と共に企業見学や実習も加味され、習熟度を高めて、本人が具体的に働くイメージを持つことができるように支援を続けています。

知識や技術の習熟度が高まると多くの方は、働くことの希望が比例して向上します。そのタイミングを“思いにスイッチがはいる”と判断しています。彼らにとって、前を向いて進みだすことがどれほど大変なことかは実感できる場面は多々ありますので、消極的でこのままでもいい、との思いから“このままではいけない”から“何かやってみたい”への変化は大きな勇気が必要になります。

福祉を科学するとは、自律と自立に向けて知識や技術を学ぶことから始まり、その習熟度が一定以上になると、気持ちの変化が生じてスイッチが入る、そのタイミングを的確にとらえることになります。これを現場の支援のデータから機械学習処理の手法で分析し、日々傾向を数値化することで実現が可能になり、福祉が大きく変わる要因になります。

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