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福祉の組織づくり

公益法人の組織や人事は民間企業のそれと大きく差がある。本来組織は複数の労働者が本来の目的を速やかに達成し、成果を上げるためのものである。民間企業であれば、理念や目的、事業計画に準じて能力や情意に応じて人員を配置する。適正な人事は当初想定していた成果を上回る結果をもたらす場合も多くある。組織を円滑に運用するために、報・連・相などの情報の共有化や研修などの育成も行われている。また成果を客観的に評価するための人事評価システムも導入されている。そのような態勢にあるので、いろいろな能力を持つ社員が不安を持つことなく、業務に専念できることになる。社員が何をすればいいか・・具体的に分かることが重要なことである。
障害福祉の分野も本来であれば、これと同様で理念や目的、事業計画が作られ、それを達成するための人事や組織作りが行われていなければならない。公益法人の理念や目的には事業とともに、「活動」の要素が含まれるので、1年や2年の短期で実現できるものではない。そのために民間企業よりも綿密な長期計画を作成し、継続して目標を遂行する必要がある。ただ現実はそのような客観的で論理的な組織づくりや運用にはなっていない。特定の方(企業では創業者)の“思い”が先行する場合が多々ある。これはNPOなどの市民活動を行っている団体でも多くみられる。個人の腕力で起業し、業務や活動をしている。そのために“特定の方”の考え方で理念や目的や業務や活動が変異する。また特定の方の高齢化で業務がとん挫するケースも多々ある。
よくNPOや福祉には若くて優秀な人材がなかなか来てくれない・・との意見を伺う。現状を評価していくと、若者が来て、人生の多くの期間を費やするにふさわしい態勢ができていない、受け入れ準備ができていない。そのためには、もう一度起業時に立ち返って、理念や計画を再確認し、目標を達成するためになにが必要であるか、そのためにはどのような人材が必要であり、彼らの能力と情意を維持し、高めていき、成果を上げることができる組織作りやマネージメントについて真剣に考え直す時期である。

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