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福祉と働き方改革

桜の季節になると我が家の梨のつぼみが膨らみます、数年前に真っ白い梨の花に魅せられて幸水と豊水を2株植えました。梨の花は少し大きく甘い香りがします、それが受粉に効果的で一斉に虫たちがやってくるので、秋の果実が楽しみです。

このところ「働き方改革」や「人生100年時代構想」の話題があります、これは働く方の視点で、職業の選択、労働時間の削減、成果の評価、転職の可能性を考えることで、生産性が向上するとの内容になっています。働くことで経験や技能が蓄積され、それが働く方のキャリアパスになるとの職業設計の概念について、長寿により労働年齢が長くなる今日では、再教育の機会を作るリカレント教育や企業におけるセルフ・キャリアドック思考などと合わせて必要なものになってきています。

特にセルフ・キャリアドックのように企業で働く方のキャリア支援の環境整備や実践教育訓練などが、中長期的なキャリア形成による人材育成や活用力の強化になるとのことです。働く方の主体的な学び直しによるキャリアアップやキャリアチェンジの支援、仕事と治療や子育て、介護と仕事の両立の支援、 リカレント教育の支援も含めて総合的な仕組みが求められています。

このように一般労働環境の整備が進む一方で、障害者の働くについてはまだまだ多くの課題があります。まず就職前段階の「職業教育や訓練」については、障害者総合支援法により支援制度が整備され、福祉事業所が担当しているのですが、未だに統一した職業訓練の規格ができていないので、事業所間で支援のばらつきが顕著になってきています。

次に「職業の選択」については、地域の企業環境により差が大きく出ており、都会では多業種の企業が多いことで、障害者も働く準備ができた段階で希望に応じて選択ができますが、地方都市ではそれが制限され、長時間の通勤時間に対応できる方以外は能力や思いに相応する選択ができなくなっています。

また「職業生活設計」キャリアパスについては、障害者は40才超えると働く能力が健常者と比べて大きく低下するとの報告があります。理由としては、障害者の生活支援の主体が家族にあり両親が高齢化することで生活面の支援が低下すること、職場や職種の適格性によりストレスが蓄積することの対処が弱いことなどが挙げられています。

今日、障害者差別解消法が施行され、障害者が学び働くための制度化が進み、学校や企業では合理的配慮事項がつくられ、担当者も配置され、さらに障害のない方の理解もいただくようになってきています、この時期にこそ障害者も人生100年を快適に生きるためにさらに一段上の社会的な環境づくりを急ぎたいものです。

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