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特例という制度
近年、奈良県でも障害者雇用が進んできています、全国では、大企業の雇用率が高くなってきていますが、奈良ではもともと従業員が50人以下の小規模企業、個人事業者が大半なので、そこでの雇用が進んでいます。これは奈良が得意な土地柄なのかもしれません。
障害者雇用について、大企業向けの特例として、企業グループ算定特例として「特例子会社」制度があります。企業に義務づけられている法定雇用率(2.0%)制度を活用して、 障害者の雇用の促進及び安定を図るためにグループ内に子会社を設立し、そこに雇用されている障害者を親会社に雇用されているものとみなして、実雇用率に算定できることとしています。
そこで働く障害者のメリットは、特例子会社での雇用機会の拡大が図られること、配慮された職場環境で個々人の能力を発揮する機会が確保されること、としています。現在、全国で約400社ありますが、その半数以上は首都圏につくられています。
一方、中小企業向けにの特例として、平成21年に事業協同組合等算定特例(特定事業主特例)の制度が創設されました。これは事業協同組合等とその組合員である中小企業(特定事業主)の障害者雇用総数を組合に参加している中小企業の実雇用率として通算することができる制度です。個々の中小企業では障害者雇用をするのに十分な仕事量の確保や職場環境の整備等が困難であっても、事業協同組合等を活用し、複数の中小企業が共同して障害者の雇用機会を確保することができることになります。
まだまだ全国で事例は少ないですが、この4月に法定雇用率による障害者雇用納付金が従業員201人から101人以上の企業まで引き下げられましたので、この制度が注目されることになりました。中小企業が参加する事業協同組合は、職種が多岐に広がることで、働く障害者が多様な仕事に就く機会を広げられことになります。また参加企業数に制限がないことから、特例子会社のように親会社の業績に影響されることが少ないのが特長になります。
奈良は従業員が50人以上の企業が500社余りしかありません、そのために特例子会社の制度に頼るだけでなく、中小企業が自由に参画できる事業協同組合等算定特例の制度も十分に活用した取り組みが必要になります。優先調達制度と関連付けた組合設立に向けてこれから準備を進めていくことになりますので、ご支援をお願いいたします。