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暖風とリニアに

今年の春は雨が多いですね、桜の花も寒さと雨で短い花見の期間でした。私はぬかるんだ畑で冬野菜の仕上げと夏野菜の準備を始めています。雨で水分を含んだ畑の土は手入れが大変で、自然と足腰に力が入ってしまいます。畝に生えた冬の雑草を抜き、広く張った根に付いた土を落としていきます。残った雑草は空いたところに集めて乾かし畑に戻します。肥料を少なくして栽培するためには、その土地で収穫したもの以外のもの、野菜についた根や土、余分な葉や茎などを畑から持ち出さないことが大切なのです。大げさに言えば、その畑の土が持っている力をできるだけ畑に蓄えておく、とのことです。

14年前に以前は水田だったところをお借りして栽培を始めました。最初の5年ぐらいは水田特有の粘りのある土質で大きな土の塊がごろごろしていて、野菜の根にやさしい感じではなかったのです。当然のごとく虫が大量に発生し、収穫した野菜も小さく、硬く、甘みも少ないものでした。それが腐葉土などを絡めて手入れを続けていると、塊だった土がある日突然のように、サラサラになりました。不思議なことですが、手で触った感触がまるで違うのです。

その後の作付けは意外にスムーズにいくようになり、以前は一夜にしてすべての苗が虫に食われて全滅したこともありましたが、今では虫が好きそうな甘みのあるキャベツや白菜なども育つようになりました。

 私の畑は農薬や化学肥料、除草剤を使っていないので、以前は周りの慣行栽培の畑の虫が大挙して私の畑に集まってきていると錯覚するぐらいに虫だらけでした。それでも細目に土の手入れや野菜くずを持ち出さずに循環させていたことが良かったのでしょうか、またその土地に生きる虫たちの気持ちがやさしくなったのでしょうか・・、順調に栽培ができるようになりました。

 特に用事がなければ、毎週土日の午前中は畑仕事をしています、まだまだ若い者には・・との思いもあるのですが、いかんせん体がついてこないので、自分のペースでゆっくりやっています。それでも畑仕事の翌日に筋肉痛がやってくると、なんとなくの満足感を味わっています。

今年も春の暖かさと共にトマトやキュウリ、スイカやメロンなどの夏野菜を自然に作りたくなってきます。この感情は毎年のことなのですが、たぶん温暖な四国の田舎で育った心身の履歴が、“そろそろ”と、のんびりしている私を押してくれているのかもしれません。

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