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意識と課題

7月10日(木):各地に大きな被害をもたらしている大型台風8号が奈良にも近づいてきています。玄界灘周辺で大きく右にカーブして、10日朝に鹿児島県に上陸しています。勢力は弱まりましたが、それでも大雨を降らす可能性を秘めた台風なので、警戒が必要です。奈良県は南北に長く和歌山に近い南部地域の十津川村などは雨が多く降りますが、北部に位置する奈良市周辺は、ため池が点在し、古来より雨が少ない地域のようです。私が越してきてからも台風の被害など大きな災害もない地域ではあります。

よく台風の通り道とされる地域がありますが、まるで年間の温度や湿度、地形の変化から生じる空気の層が規則正しく配置されるのでしょうか・・、台風の「通り道」が作られているような気がします。その道は私たちの目には見えないだけに、なぜ毎回同じような経路でやってくるのか、不思議に思える時があります。

台風の被害に関するニュースでは南木曽町で土石流が発生して川沿いの家屋が全壊し、そこにいた家族が被害を受け、子どもさんが亡くなられたことが報じられました。また各地で増水や河川の決壊で床上まで浸水した家々の映像が流れるたびに、奈良にいる私でも心が痛みます。

一方、台風の進路の予報技術が高まっていることに驚いています。長年蓄積された気象関係の情報をいろいろな手法で解析されているのでしょうか。今後、気象予報はどのようになるのかは非常に興味深い点です。気象予報にかかわっている人たちは、将来の技術について、どのような思いや目標をお持ちになっているのでしょうか。気象情報を利用している私の希望は、現状の予報精度に驚嘆しつつも、もしも可能であるならば、多くの機関が連携して、台風が地域に与える影響を細かく判断し、災害が起きる時期や程度を知らせてくれるまでに向上してほしいと期待しています。

私たちは、長い期間をかけて、自然と対話して生きるための方策や生活の場である村や町を作ってきました。また自然から多くの食料やエネルギーを貰い受けてきました。そのたびに自然の魅力や偉大さを感じてきたのです。それが自然の力を知ることであり、人としての分をわきまえることのようです。

人として大切なことは、自然に挑戦し、それをコントロールすることではなく、3.11で学んだように、分をわきまえて、安全で安心して暮らせる分を求めることです。科学の進歩を過分するのでなく、有効に活用し、程度を認識し、やれるべき課題を明確にしていくことだと考えています。

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