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快適な広さ

連休に妻と自宅から40分ほどのところにある馬見丘陵公園に出かけました。少し時期が過ぎていましたが一面にチューリップが咲き、その後を補うようにネモフィラの空色の可憐な花が広がっていました。公園を散歩するのは久しぶりでしたが、お互いに足が痛いとも言い出せず、やせ我慢しながら2時間ほど散策しました。万歩計はすでに1万を超えていましたので車に乗ったときはほっとしたものです。公園は、視界が広がり、遠慮なく大きく両手を広げることや、新鮮な空気を堪能することもできとても快適でした。

日頃、私たちは職場で一定の空間を得て8時間ほど仕事をしますが、資料などに囲まれ、視界も狭く快適な空間ではない環境に身を置いています。それがいつの間にか圧迫感を蓄積することになっています。快適な職場の要件ですが、まず、生き物なので新鮮な空気、適度な温度や湿度は大切になり、また相応に明るく静かで、広い作業空間があることも上位になります。それに加えて、最近のIT系企業では、休憩室や談話室、運動場、食堂やバーなども整備され、広さと共に快適性を重視するようになっています。なお労働安全衛生法では、事業者は快適な職場環境を形成することを示しています。

人は環境の生き物なので、どのような状況でも徐々に慣れて適応すると言われていますが、調査報告では、従業員で一定期間休職した方の比率は10%程度あるとのことです。これは職場のハード面だけではなく、職務からストレスを受けたことや人間関係から自己嫌悪になる方もおられるので、特定はできませんが、それでも一定の影響を与えていると思います。

日本では、私たちが雇用されて工場や事務所で働くようになったのは100年ほど前からなので、雇用者が提供した職場で働くことが当然のようになっています。また労使の立場もあり、従業員から職場環境を改善するように提案することは難しい場合もあります。

空間の快適性は人それぞれで、適度な広さが落ち着くといわれる方もおられます。背景には国土や家空間に対する意識の違いがあると思いますが、それでも“ウサギ小屋”と揶揄されて半世紀が経つので、そろそろ私たちも職場の快適な広さや環境を具体化することも大切だと思っています。

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