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就労準備とAI機械学習
桜がちらほら卒業式を迎えるこの時期に、多くの方が期待をもって社会に出られます。私の時代の学校では就職先を紹介する程度の支援でしたが、近年は履歴書の書き方や面接の受け方なども教えているとお聞きしました。これを最近の学生が社会に出る準備が遅れているとするか、企業の視点が変化しているとするかは判断の分かれるところです。
障害者の就職準備についても、雇用率の強化で企業の受け入れ態勢が広がってきています、が、それでも適材適所で能力や思いに準じた企業の選び方は求められています。福祉の就労支援プログラムには、就職準備を「社会性」と「職業技能」で構成しています。座学に加えて、職場見学や実習なども組み合わせて、働くことや職場のイメージを持ってもらい、日々の訓練の意味や役割の理解を進めています。
利用されるお一人おひとりで訓練の理解や習熟度合いに違いがありますので、3か月毎に新たな訓練スケジュールや期待する成果などを示した「個別支援計画書」を作成します。これを職員が訓練内容や成果から判断して、新たな訓練プログラムに応用していきます。ただ、これを作成する業務は職員にとって意外と大変で、多くの時間を使うことになり、また正確な判断が求められることにもなります。
これをシステム化する取り組みを数年前から準備をしてきましたが、ようやく日々の記録をAI機械学習処理して、算出されたデータから客観的な判断基準を示すことが試験的ですが可能になりました。
これまでは、職員が利用者個々の能力から利用期間や利用回数を基準に訓練の成果を確認して判断していましたが、このデータが出てきたことで、従来の支援が間違っていないことが証明されてきました。また、新たな発見として、データの傾向から座学による訓練から実務や内外の実習に行くOJTのタイミングになることなどが見えてきました。
これからさらに対象者を増やして算出データの精度を高めることで、訓練プログラムの成果を数値化することができるようになります。法人では4月から本格的に通所型の訓練に加えて、在宅でのテレワーク支援を始めますが、このAIシステムがさらに大きな役割を担うことになると期待しています。