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安心と信頼
コロナ禍で政治や行政の役割が明確になり、以前よりもこの分野に興味を持つ方が増えています。マスコミに担当大臣や首長が出演されて、コロナ感染予防対策、ワクチン接種の時期や接種後の効果や症状について専門家の意見を引用して方針を述べられています。テレビや新聞だけでなく、SNSも含めて同じ課題の報道を調べてみると、多様な意見に触れることもできます。ある報道では、感染防止策にはPCR検査を実施して濃厚接触者を事前に確認することが大切であるとされ、またある報道では、感染拡大の防止は医療体制の整備やワクチン接種の迅速化及び経口薬等の治療法の早期の準備に重点を置くべきだとの意見もあります。対処法には感染時期や状況により違ってくるので、どちらの報道が正しいかではなく、状況を的確に判断して率先して実施する手法に「何」が適当であるのか、この選択にあるように感じています。
医療の専門家やコメンテーター等が自由に意見を述べられていることはいいことですが、政治家や首長となると、政策の主体者になりますので、実行及び結果に責任が伴いますので、どうしても慎重になりがちです。私たち国民は未知のものに対してはある意味で涵養なので、その時点での科学的な判断を基づいた政策であれば、例え、結果が想定したものにならなくても一定の努力を評価することになります。
未来を予測する事前推定がこれまでのデータから容易に推測できるものであれば、それを政策として具体化し実行されることを評価されますが、そこで躊躇して慎重策をとった場合には、推定能力に課題があると思われます。政治や行政にある方はその場で的確な判断をするために、日頃から組織をつくり必要な情報の収集と分析からいくつかのシミュレーションをしていると思います。それでも万策尽きて従来の政策を繰り返すことになれば、それ時点で素直に現状の説明と可能な対処法及び将来予測を提示することが最適だと考えます。
国民はいくつかの政策が具体的で科学的な根拠が示されれば、結果に左右されることなく、政治や行政に「安心」を抱きます。さらに継続して勤勉に取り組む姿勢を見せられれば、事前推定に余白が生まれ大きな期待になり、それが「信頼」へと成長します。