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奈良市の事業仕分け
先週、奈良市で仲川市長になって2回目の事業仕分けがあった。土日の二日間で32の事業が仕分けの対象となった。その中で障害者のバス運賃を無料にする「友愛バス優遇措置事業」の検討がなされた。
事業内容は、①対象となる奈良市在住の障害者手帳保持者16,327人の中から、バス利用を希望する11,483人に1年間有効のフリーパス型の優待券を発行していること。②この事業を請け負っている奈良交通に年間9,999万円の予算支出をしていることである。仕分けの検討課題としては、①奈良市では主に外出にバスを利用するが、公平性の観点から他の交通手段を検討する必要があるかどうか。②障害者の利用状況が正確に把握されているかどうか。③この予算設定が適当かどうか。④この事業は奈良市独自のもので他府県でもこのような事業の例はないなどである。
この事業の目的は障害者の社会参加や就労への支援と考えられる、障害者には、歩行困難者の移動手段として、また通院やリハビリでの利用に、福祉施設への通所の手段としても重要である。経済的には奈良市のバス料金は初乗りが200円なので、往復で400円、月に22日利用しても8,800円の負担となる。一般的に障害者の多くは低所得者であり、福祉施設での工賃も平均月額11,000円ほどであるので有効な事業である。仕訳委員の方の意見を冷静にうかがっていると、みなさんこの事業の意義は十分に理解されているように私には感じられました。ただこの事業が本当に障害者の地域自立のための有効な事業なのか、また予算が費用対効果として有効に使われているかの客観的に判断する材料が不足している点など課題もあると感じました。結果は「要改善」でしたが、この機会にこの事業が今後も継続して行われるように、当事者の意見も参考にして、事業内容の改善や資料の収集や把握などがなされることを期待したいと考えています。