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大切に積み上げてきたこと
福祉は日々の素朴な活動が最も大切なことになります、平凡な日常を続けることを旨としていますので、特別なことや奇をてらうことをことさらに行うことはありません。幸せな生活について聞いてみると、“日常、普通、平凡”に類する言葉が上位をしめています。これを構成する要素を拾ってみると、睡眠、食事、趣味、外出、仕事、遊び、おしゃべりになり、最近はメール、ネットが追加されています。
これらを福祉的に体系化したものが、「ぷろぼの社会福祉のしくみ」になります、さらに就職に向けて訓練プログラム化したものが「ぷろぼの就労支援プログラム」となります。ぷろぼのは、障害のある方が就労によって自立した生活ができることを目的に福祉事業をしています。
近年、そのプログラムにようやく年齢軸や就労準備性を加えた「ステップアップの手順」を追加することができました。これは成長に沿って社会にでるために必要となるスキルを手順に従って習得することができる仕組みです。
概ね中学から、社会人スキルが求められますので、その年齢に応じた内容を準備し、高校ではそれを訓練によって身に付け、日々活用できるようにしていきます。その延長線上に社会参加や進学及び就職があります。成人後も必要に応じて関係する技術を習得するためのサポート態勢があれば、迷い、葛藤しながらも人生を生きていくことができます。
学生から成人して働く期間を経て、定年があり、その後の人生についての生き方が示されます。それを時系列でまた就職準備の程度に応じて、福祉的な支援が準備されていることが安心につながります。福祉サービス制度は障害や就職準備の程度に合わせて細やかで体系的に組み合わせていくことが必要になります。
10年前に障害者自立支援法がつくられた背景には、このような思想と思惑があったように感じています。ただ現実に福祉的ステップアップの手順を構築するためには、施設の規模や多彩な職員、また多様な福祉プログラムが必要になります。これは現状の厚労省が実施する福祉サービス制度を考慮すると現場に大変な頑張りが求められます、広範囲な知識や経験と意欲を持ち合わさなければ、なかなか実施することはできないものなのです。
近年、多くの社会福祉法人が取り組んだ福祉的な就労事業は、大半が撤退や修正を求められることになっています、反面、企業が福祉サービス事業を限定した取り組みが、成果を得て広がりを見せています。これを福祉の分業化や役割分担であると評すると聞こえはいいですが、利用される方にすると将来が担保されない可能性が広がることにもなります。
ぷろぼのは、愚直に就労を包括する福祉的ステップアップの仕組みを完成させるために邁進します。それが公益法人の進むべき方向であると考えているからです。