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呼称「社会人」
私たちは、何気なく学校を卒業し社会にでることが当たり前のように考えています。毎年、桜の時期になると若者は社会人になる準備をします。その「社会人」とはどのようなものなのでしょうか?それは世界的に標準なのかを考えます。
「社会人」とは、一定の年齢になって教育機関等を終了したもの全員に付けられる敬称です。常識的な進路としては、どこかに就職して、経済的に自立して、自力で生活する人としています。そのため教育機関を卒業等した時点では、全員が社会人と称されますが、その後の状況で、自然と「一人前の社会人」とそれ以外に評価されるようになったようです。
では「一人前の社会人」でない人たちはどのように称されるのでしょうか?一般的には、一定の年齢になり、卒業して、自宅にいて、決まった仕事もしていない人は「半人前の社会人」ということになります。最近では、特に何もしないで自宅にいる人を、「ニート、引きこもり」と称して、社会人不適格者とみなされるようになっています。まだ地域の交流が盛んであった頃には、近所のお節介な人が、同情して言葉をかけてくれました。最近は、なんとなく地域の良くない噂になり、当事者のご家族は言い訳を準備するようになります。例えば、私の子どもは、○○な資格を取るために勉強している、自宅でできる○○な仕事をしている、などと言い訳が求められます。日本では成人になると生家をでて自立することが当然のような村社会の常識や風習がありますので、それが今でも続いているのです。
私たちは社会の一員であり、義務もあるので、他人と比較して一つの基準で判断されるものでなく、自由で多様な生き方があるので干渉しないでほしい、と断言するつもりはありませんが、それでも家庭環境や考え方で「社会人」になる道筋は幾通りもありますので、一方的に常識をかざして、意見を言うことではないかもしれません。
「社会人」の呼称について、Wikipediaでは、海外では英語はworker(労働者)やadult(成人)、citizen(市民)という単語はありますが、日本語の「社会人」にあたる単語・表現はなく、最も近い言語では「participant in civil society」であると書かれています。成熟した日本社会でもそろそろ「社会人」の呼称に代わる言葉を準備する必要を感じています。