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共存の主体
奈良にもようやく梅雨が来てくれました、春に植え付けた野菜も安心して芽葉を伸ばしてくれています。6月は体が暑さに馴れ、汗のかき方を思い出させてくれる大事な時期になります。
先日から障害福祉も次年度からの制度改正に向けた審議会が開催されています。主に現制度の課題と対策になりますが、中でも給付費の改定は大きな取組になります。福祉は一般職種に比べて給与が安い状況です、そのために都度、処遇改善の処置がとられますが、それでも生涯年収は低くなります。近年、処遇改善の方針として福祉事業者の質の向上が挙げられています、例えば、福祉資格を持つ専門職員の配置や就労系では一般就職者数や就職後の定着率が、また働く場では、目標賃金額の達成率で福祉事業の成果を判断するようになってきました。
障害福祉制度のテーマは、「自立」なので、就職することでの経済的な自立、働き定着する自立、また高齢化や障害の程度に応じた生活面の自立など、各分野の充実化が進められています。障害のある方もない方も共に加齢によって生活環境が変わります、若いときは両親や祖父母から支援を受けることができた方も、加齢により逆に両親や祖父母の介護を担うことにもなります。その時のために自立と自律の準備が必要になります。
私たちの生活では、障害福祉制度による支援と共に、地域での取り組みも大切になります。先日、暮らしや地域について検討するワークショップを開催しました、昨年大賞を受賞したDesign@communities Award コンソーシアムの第3回目の伴走WSを奈良と東吉野で開催しました。テーマは「粋人シェアハウス」として、多くの方がともに暮らし働く家や町について意見交換をしました。
障害福祉制度を活用した取り組みをしている、社会福祉法人わたぼうしの会の「福祉ホーム有縁のすみか」を見学し、午後から専門スキルを持ち田舎暮らしをしている若者たちがいる東吉野OfficeCampに伺いました。参加者は奈良から10名、東京から10名ほどで多彩な専門家が集まりました。
暮らしと仕事、人と自然との交わりなど事例なども参照しながら、意見を体系化するチーム、河原に降りて木々を集めて共同作品を作るチームなどがあり、夜遅くまで活発な交流が広がりました。
制度で生き方を定義して標準化する公的なものと地域の実情やその時の思いや状況に適応する民間的なものがあり、互いに区別することもなく暮らしに浸透させる共存性について学ぶ機会にもなりました。現代における共存の主体は「福祉」になるのでしょうか。