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働くための福祉的な要素
先月、社会福祉法人ぷろぼの の理事会及び評議委員会と事業報告会を行いました。理事や評議員の皆様にはお忙しい折にお越しいただきましたことを心から感謝しています。例年のことになりますが、今回も「事業報告書」を作成しました。これは27年度の福祉事業及び企業連携と地域貢献の事業全般についてまとめたものです。若手の職員を中心に委員会がつくられ、12月から各事業所から報告をもらい、調整して作り上げたものです。福祉の現場で日々障害のある方たちの訓練に立ち会っている職員たちなので、何が重要であるか、報告すべき項目や課題について感じるところを整理してくれています。
利用されている皆さまを対象に、毎回同じ設問によるアンケート調査を実施し、その集計結果を掲載しました。最近の傾向ですが、障害種別では、精神疾患や発達障害の方が7割以上を占めており、また中途障害の方が大半なので、自らの障害についての理解が大切になります。訓練への評価は、訓練が役に立つが87%(役に立つ46%+これから役に立つと思う41%)であり、更に訓練が進むにつれて、この比率は高まっていくものと考えています。また外部の企業への見学や実習のプログラムについては、役に立つが73%(役に立つ34%+これから役に立つと思う39%)であり、一定の効果がでていますが、反面、実習の目的や意義を十分に理解しないままに参加していることの課題も明確になりました。
次に、障がいについての自己理解ですが、障がい名や症状及び苦手なことについては、利用される方は、理解して他者に伝えることが出来きています。ただ、半数以上の方が、「困ったときの対応策」、「必要な支援や配慮してほしい事項」が具体的に分からないという課題もでてきました。
企業連携により法人が運営する働く場の利用については、仕事の満足度は、満足92%(満足37%+まあまあ満足55%)であり、理由として、「仕事での配慮がある」、「仕事が面白くやりがいがある」、「職場の雰囲気がいい」、「知識・技術が身につく」、「成長できる」、「ストレスが少ない」等で、長く働くために必要な項目を具体化できました。
今後については、「ぷろぼのでずっと働き続けたい」と答えた方が最も多く、次に「いずれB型からA型スタッフになりたい」、「いずれ正職員になりたい」とステップアップを目指している方も多くいました。また、「いずれは企業に転職したい」と考えている方も約3分の1おられました。
この結果を考慮し、さらに訓練や働き方についての対応をきめ細かくしていきます。障がい者の就労支援事業はともすると職種や賃金を優先しがちになりますが、長く働くためには「福祉的な要素」を基本に構成することの重要性を感じています。