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働くことのちから
2011年、新年明けましておめでとうございます。奈良でも寒さが一段と厳しいお正月でした。3賀日は春日大社などへの初詣の方が多く来られますが、それでも例年は意外と静かなお正月です。それが昨年の平城京遷都1300年祭のよき効果なのでしょうか、営業されているお店が多かったように思います。4日から私たちも活動を始めています。年末に菜畑事業所の引っ越しがあり、みんなの頑張りでこの4日から無事に事業を開始することができました。
「働く」ことが、元気がでる源になる・・このようなことを改めて感じることがありました。私どもでは、就労移行支援事業のサービス利用者からぷろぼのの職員になることができるコースがあります。条件は、福祉に興味があること、週に20時間以上の勤務ができること、ITの基礎的な技能があり指導ができること、ITによる制作や事務などの技能があること、となっています。これは障害者には難しかったり、考え方を根本的に変える必要があったりします。例えば、福祉に興味があること・・は、利用者としてサービスの受給者である方が、サービスの提供者になるので、他人の気持ちを理解する、思いやる、配慮するなどの心のゆとりが要求されます。またIT技術についても同様で、今までは自分が課題に対して操作ができれば良いと考えていたことが、これからは他人に教えるために正確に、分かりやすく、事例を含めて理解しておく必要がでてきます。
また、「働く目標をもつこと」が人を元気にする・・福祉の職員になることを目標にすることで、利用者の時に持っていた、自分に甘い考えを払しょくして、他人のため、団体のため、社会のため、そして自分自身が社会で自立するために大切なことだと、強く意識できるようになってきています。ともすると障害などで消極的になっていた気持ちが、前向きになっています。目標に向かってがんばる気持ちが表情や言動からも伝わってきます。
週に3日来ると4日目には“疲れた、体がだるい・・”などと弱音を言っていた方が、週に5日間の労働が普通にできるようになります。また朝早く起きて暗いうちに家を出て、通勤時間に1時間半以上もかけて通うような、強い気持ちが持てるようになってきています。
リーマンショック以来、奈良では障害者の就職は大変厳しくなっています。それだけに仕事に対する気持ちだけは強く持って頑張ってほしいと願っています。福祉の暖かさと生きることの本当の意味を教えてくれる社会との温度差を意識して、福祉の現場にもこのような強い思いを取り入れていきたいと考えています。