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伝えること、分かり合うこと
6月23日(土)に、第一回の「ぷろぼのプレゼンキング大会」なるイベントを行いました。4つの就労移行の事業所で訓練を受けている方が、大和八木の事業所に集まって、それぞれの事業所の特長や楽しみを言葉やツールを使って紹介し、その熱意を競い合いました。
1か月以上も前に、このイベントをみなさんに告知し、各事業所で3人から5人のチームを作り、パワーポイントや紙芝居を使って、訓練の内容、利用者の取り組む姿勢や感想などをまとめました。1か月の長きに渡ってチームで討論し、方向を決めてからそれぞれの担当が資料を整理し、写真を撮り、それを10数枚のページにまとめました。当日は8分間のプレゼンです。いつもの実力が発揮できるかが楽しみです。
私は彼らが日ごろからとても熱心に準備を進めてきていることを見ています。ですから当日の発表は、私にとってはすでに本番ではなく、練習のような印象です。日ごろの事業所での準備や頑張りが、実は「本番」なのです。その一生懸命さが大切なことと思っています。このような彼らの頑張りが就職活動に大いに役に立つと信じています。
以下に、障害者を採用する場合に考慮していただきたい点を書いておきます。
障害者の就労支援の最終段階にジョブ・マッチング支援があります。面接練習、履歴書の書き方、自分自身を正確に伝え理解してもらうための練習です。多くの方に共通しているのは、面接などの正式な場面で、短時間で自己PRを正確にすることが苦手な点です。
理由の第一は、他者と会話することの力が十分に育成されていないことです。自分の意見を簡潔にまとめて、冷静に相手に分かるように話すことがなかなかできません。それだけに日ごろから人一倍準備をするのです。それがとても大切なことなのです。
会話が苦手なことは、成長過程で障害が原因で、話をする機会が少なくなることから生じたことです。ですから、発達障害のように障害特性が原因で、他者と会話をすることが得意でない、ことではなく、障害後の社会環境から会話が苦手になっているのです。これは「障害特性」ではないのです。採用後に職場で時間をかけて、会話ができる環境を整備していただければ、自然と会話力が身についてきます。
第二は、履歴書の特に職歴の見方についてです。職歴に短期間で多くの職種を経験している点です。わが国では、短期間で就職と退職を繰り返し、いろいろな仕事をしてきている方は、落ち着きがなく、集中して仕事に取り組む姿勢に課題がある・・と受け取られてしまいます。
障害者の場合は、決してそうではありません。まだまだ障害者の雇用環境は整備されていません。ですからこれまでは短期間の雇用契約で働かなければいけないケースがありました。それだけに履歴書の職歴欄を見られる時には、是非“多くの職種を経験している人”、“キャリアの豊かな方“、”仕事探しに熱心な人“、として理解してください。
近年は、障害者雇用が促進され、給付金や調整金制度及び障害者雇用率制度などに後押しされて職場が広がってきています。奈良県でも年間1380人ほどの方が就職するようになりました。これからは特定の仕事に長く携わり、業務に精通した方が増えてくることが期待できます。彼らを戦力として育ててくれることを願っています。