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仕組み化への思い

寒波が過ぎるともう1月が終わり、寒椿とともに水仙がつぼみを膨らませています。これから春の風と共に梅、クロッカス、菜の花と鮮やかな花との出会いが楽しみになり、特に奈良では月ヶ瀬の梅林や東大寺のこぶしや木蓮の上品な白が見ごろになってきます。花を見ていると季節に応じて必ず同じような色や形の「花」を付けてきます。太陽の角度や日光の強さ、温度や湿度などを感知して、冬の間規則正しく準備されていた花を咲かせてきます。

小学校の時に素朴に疑問を抱いたことが、知識を得た今でもその不思議さに素朴に戸惑うことがあります。草花がこんなに几帳面に規則や周期が守られ、再現性が確保されることについての驚きは増しています。福祉や市民活動を進めていると、この草花の規則性を私たち人間社会の営みに応用することができないだろうか、との思いが強くなってきます。個人は生まれ、そして老いて朽ち果てますが、草花は枯れない限り、再生してきます。人間とは違う周期で生きている姿をまじかに見ることができます。

人は個人の生周期とは別に集団による社会を形成することで、新たな文化という周期を作り出しました。伝統、格式や習慣は人が作り出した増殖型の細胞になっているのかもしれません。それを継承し成長させていくために、草花の細胞の仕組みを取り入れる必要があるかもしれません。

ぷろぼのの取り組みの基本は、活動や事業を「仕組み化」することです。多くの職員が業務を担っていると、判断に職員個々の思いや経験を優先することがあります。人間がすることなので仕方がないのですが、仕組みと個性の割合を上手に保っていることの大切さを感じています。

数年前から就労支援プログラムを開発し、日々の事業に活用することで問題や課題を共有し、絶えずバージョンアップを進め、時代や要望に応じて完成度を高める取り組みをしてきました。職員が主体的に考えて機能させたことで、いつしかプログラムが自由度を持つ存在に成長してきたことを実感できるようになりました。

形にこだわるのはなく、小さな原則としての仕組みを作り出すことで、自然発生的に内的な増殖が生まれてきています。さらにこれが草花と同様に多くの環境に順応することができる仕組みに成長してきています。私はこの増殖活動に制限を加えるのではなく、大きく根を伸ばすことができるように、夢という周辺の土地・・を耕していきます。障害がある方もない方もすべての方が夢を持って、笑顔で集える、これからの公共を目指したいものです。

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