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モノ化すること

来週から奈良も弥生月になります、一日から2週間、二月堂でお水取りの行事がはじまります。これが終わると奈良にも春がやってきます。今年もこぶしや木蓮の花に会うことができます。この時期には障害のある方の絵画が奈良町のお店やCaféに飾られます。写実的なものから特長を強調した作品まで多様な表現がみられます。

障害福祉分野に人の感覚と行動の関連性を確認する行為として、感覚統合法があります。それは人が持つ感覚の感じ方と表現に着目して、個人によってその統合性がどのようになっているかを確認する手法になります。見ること、聞くことなど五感で得られる情報を脳が感じ、まとめ、行動に移行する際に、それがどのように関連して表現されているのかを確認しています。

私たちは、自分が見えている映像と記憶した映像について、他者も同じであると思っていますが、果たしてそうなのでしょうか、目のレンズを通して採光した情報は大まかには同じようであっても、それを脳が映像化する段階では個人差が大きくなる可能性があります。いくつかの検査によって身体的機能障害が原因で一定以上の差がみられた場合には、社会生活に適応するために、リハビリ療法としてそれを気づかせ修正することが必要になります。

人は成長に伴って社会から多くの感覚的な情報を取得していきます、またそれを表現する言語や動作などの表現手法も身に付けていきます。身体的な機能と知識や経験が生かされ、デッサンやヒアリングによる記述、また応酬話法や運動などの手足の動作などもその発展形になります。

日常ではなにげなく注意や興味が向きますが、気分や目的などによって対象は違ってきます。これが他者との比較になるとさらに大きく広がってきます、ファッションや飲食などはその代表であり、趣味の違いとしてほぼ納得していますが、たまにはそれが私の想像を超えるものもあり、この違和感も含めて楽しんでいます。

五感の情報を、自分なりにモノ化することの大切さを感じています。なんとなくモノとして形になっていることで安心できるからです。10代の若者にITプログラムをお教えする取り組みを計画しています、主にミニロボットの制御プログラムに着目しています。コードを並べて条件を定義するだけで、ミニロボットの動作を視覚で確認できることの当り前さを共有したいと考えています。

文字や言葉、絵や図形だけでなく動きのある立体物で感覚を合わせる楽しさを伝えていきたいものです。

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