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ストレスなしの生き方

 先日、谷田丘陵で自然農法をしている「里山自然農法協会」が運営する農園に伺いました。大和郡山市の青少年の家のすぐ近くにあり、奈良市内から車で20分ほどのところにあります。秋の実りのこの時期は、黄金色の稲の穂が一面に広がり、畑では里芋の大きな葉が風に揺れていました。当日は、日ごろの行いがいいのでしょうか・・天高くの青空でした。
 今回は、各事業所で日々就職を目指している訓練生10名と職員3名です。この野外訓練の密かな楽しみは、“畑仕事とさんま”です。畑で汗をかいた後に、七輪で焼いたさんまをおいしくいただくことです。もう一つの課題は、“畑の仕事を通じて個々の適性を確認する“ことです。事前に準備していただいた畝に大根の種を2列に捲くことです。里山のスタッフから作業の説明を受けてから開始です、種をもらい、25cm間隔で小さな窪みを作り、2粒の種を順に捲いていきます。注意することは、畝の上を踏まないことです。全員が指示に従って、てきぱきと作業が進み、4畝の種まきは驚くほど早く終了しました。
 私は、その光景を3メートルほどの竹製の櫓の上から眺めていました。訓練生にとっては、初めての畑仕事でしたが、里山の方が、この作業でしたら合格ですね・・と評価していただいたことに安堵しました。
 与えられた仕事を正確にすることは、働くうえで大切なことです。それを効果的に継続していくためには、前向きに取り組む姿勢が望まれます。好意をもって取り組む、できれば楽しく取り組む、この気持ちの持ち方を分かってもらうために、多様な訓練プログラムを準備しています。人にとっては「働く環境」が大切だと言われています。青空と稲穂に畑、コスモスの花、めだか、竹林・・ここでの働くが、ストレスなしの労働なのかもしれません。10人ほどの里山のスタッフの方たちの元気で明るい笑顔からもそれが窺えます。
 帰りの車の中でも、“たのしかった”の連発でした。来月もこの野外プログラムは行います。近い将来彼らの中から、畑仕事を希望する人が出てくれるように、継続していきます。私たちの役割は、障害者の就労による経済的な自立を支援することです。そのためには、ここで作った野菜をおいしく頂ける場、飲食店などの働く場が必要になります。将来に向けて楽しみなテーマをいただきました。里山のみなさん、ありがとうございました。

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