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ガチャ文化

地域の風習や行いは時代と共に変わっていきます。私が育った村の祭りでは毎回“あてもの”なるゲーム屋台があり、景品を目当てにお小遣いを使ったものです。近年はそれの延長でしょうか、カプセルトイのガチャが大人気になっています。1960年代からカプセルトイは販売され、1977年頃に「ガチャガチャ」という音を立てる今の形式のカプセルトイになったようです。当初は子ども向けのおもちゃとして販売され、ランダムに入れられたおもちゃやグッズを取るためのゲームでした。当時はゲームセンターやスーパーマーケットに置いていましたが、最近ではコンビニやオフィスビルでも見かけるようになりました。

日本玩具協会の玩具市場動向調査によると、ガチャの売り上げ規模は毎年増加しており、2019年の時点で約1,000億円とされ、特に、スマホアプリに利用されるようになってからは、ガチャ収益の大部分を占めるようになり、2019年には国内市場で1,200億円を超える売り上げになっています。

ガチャはおもちゃやグッズを集めることを目的にしたゲームを楽しむことだけでなく、近年は、キャラクターグッズやフィギュアなどのアイテムにも応用され、アニメやゲームのファンにとっては、ガチャで入手したグッズをコレクションすることでその世界観に浸ることも楽しみになっているようです。

また、スマホアプリでガチャを利用したゲームも増えて、世代を超えて多くの人に親しまれています。代表的なゲームに、「モンスターストライク」があり、これは2013年にリリースされ、人気が高くその後、多くのゲーム会社に影響を与えました。モンスターストライクでは、ガチャから入手できるキャラクターがプレイヤーの戦力を決定するため、カードゲームと同じように購入者が増えてガチャ収益の拡大に寄与しています。

子どもだけでなく大人にも人気がある理由は、子どもの頃に遊んだ懐かしい思い出がある人や、収集癖やコレクション趣味がある人が多いことで、年齢層を問わず楽しめる点が挙げられます。最近のアプリゲームでは、大人向けのゲームも増えてきており、大人が手軽に楽しめる内容も含まれているため人気になっています。

子ども向けの単なるおもちゃとの認識から、今後はオンライン上でのガチャが増えることが予想され、仮想通貨を用いたガチャや、VR技術を利用したガチャが登場することや、環境に配慮したケースの開発などにも取り組むことが予想されます。ガチャが新たな日本の文化の形成の役割を担うことになると言えます。

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