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なんとかなる・・の気持ち
「ぷろぼの」の仕事をしていると学生時代を思う出すことがあります。40年も前のことですが、その時にもう少し真剣に勉強しておけばよかった・・、なんてことを高齢者の仲間入りをする年齢になって、述懐してしまいます。授業で「日本国憲法の教育機会の均等」を習ったことがあるのですが、その時には意味を理解できなくて、本当の意味を知るのは社会に出てからでした。社会人になると、学生時代と異なり、国民として勤労や納税及び次世代の人たちに教育を受けさせる権利を、保障するなどの義務を負うことになるからです。私が学生時代に受けていた権利を、今度は次の世代の人たちに継承していく役割が生じるからです。そして社会で働き義務を行使することで、国や地域の経済、社会、生活が保障され継続するなど、地域社会を支える担い手の一人となるのです。
元気で住みやすい社会づくりは、“お互い様“の心持なのでしょうか・・、互いが生活しやすく、働きやすい社会を目指すことなのでしょうね。いくら法律や規則を厳しくしても、協力し合う気持ちがなければ、制度のほころびを目立たせるだけになってしまいます。
障害者が社会で働くことも同じことなのです。福祉制度を利用して教育や訓練を受けて、社会人として成長し、一日も早く社会に出て、自らができる範囲で「働くこと」が望まれます。特別なことをするのではなくて、素朴に働くことが地域に役立つことになり、義務を果たすことにつながるのです。
「ぷろぼの」には毎日80名ほどの障害を持つ方が職業訓練に来ています。利用できる期間は2年間です。訓練の目標と課題はそれぞれあります。“毎日安定して来所できるようにすること”、“他の訓練生と協働する力を養うこと”、“パソコンや専門的スキルを身に付けること”、“コミュニケーション力を高めること”などがあります。私が働き始めたころに上記のようなことができていたかと自問すると、合格点は、“毎日会社に行くこと・・”だけであり、他はできていないことばかりでした。それでもいつしか企業や社会に育ててもらって現在に至っています。
訓練生の中には企業で働くことに自信が持てないと言われる方がいます。まだ社会に出て働いてもいないのに消極的になっています。そのようなときに、「社会で働く情熱と一歩の勇気」を持つように伝えたいものです。“なんとかなる”の気持ちを大切にしてください。