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ある中途障害者の就職
先日、ぷろぼのに2年近く利用されていた中途障害の男性が就職しました。就職先や職種は、ほぼ本人が希望していたものに類似していたので、喜びもひとしおでした。さっそく事業所に「就職おめでとう」のPOPを張り出しました。ご本人の卒業の挨拶もあり、他の利用者も拍手でお送りすることができました。
障害者の就労支援をしている私たちには、この瞬間がなによりもうれしく思うときなのです。2年間の訓練の様子が思い起こされますが、ここに来られた当初は、パソコンの操作などは不慣れでした。前職は事務系でなかったことが原因なのでしょうか、新たな職種への挑戦でした。キーボードの打ち方から、アプリケーションソフトの操作まで、まさに葛藤の連続でした。年齢による順応性なのでしょうか、日々、苦労もされていました。また社会経験が豊かなだけに、パソコンを中心とした訓練内容についても、将来の就職の可能性を自己判断できるだけに、基礎的な訓練時には、あせりも見ることがありました。
そのようなときに、パソコン会計実務に出会いました。法人の会計を担当していただいている税理士の谷野先生にお願いして、簿記の初級講座を始めました。その講座に自主的に参加されたのです。たぶん簿記については、経験がまったくなかったと思いますが、パソコン操作を習得し、応用訓練として開催した会計講座に参加されたのです。3か月間の初級講座が終了する時期には、日商の簿記資格試験を受験するまでに成長されました。ここで将来の目標が明確になったと思います。
その後も独自で資料を購入し、勉強され、2回目の会計講座にも参加することになりました。講座では熱心に受講され、また他の受講生にわかりやすく、説明をするなど、前向きになりました。そのような訓練に対する姿勢が、採用担当者に好印象に映ったと思います。就職も瞬時に決定して、面接の翌週から働き出すという、あわただしくもうれしい結果となりました。
真新しいスーツ姿を見るにつけて、この間、迷いながらも一生懸命頑張ってきたことを、ちゃんと見ていてくれる方がいると思うと、万感の思いになります。この春にまた“素敵な笑顔と活躍を期待する”そのようなうれしいことがありました。