ブログ

風潮

早いものでぷろぼのが障害者福祉の活動を初めて18年になりました。 平成18年に障害者自立支援法が施行され、新たな障害者福祉制度に、就労系の福祉事業が追加され、障害があっても地域で生活し、働いて経済的に自立できるように支援することになりました。当時は障害者が働くことなど想像する方も少なく、受け入れる企業も準備ができていませんでしたが、就労移行支援事業や継続事業が実施されて徐々に福祉関係者も障害者の就職に時間が持てるようになりました。 一方、企業は既存の組織で障害者は通常業務に従事できないとの判断があり、彼らを戦力として雇用し育成するのではなく、障害者雇用率を充足させるために、特例子会社を作るなどで対応してきました。今日では、企業のマネジメント能力が向上し、またSDGsの推奨からダイバーシティ経営を積極的に取り入れることで、社員のモチベーションが上がり、障害者の雇用も現実的になってきました。昨年夏には、奈良市が主催する地元企業で障害者が業務実習を行い、働く実感を得て就職準備を高めるための事業があり、大きな成果を達成することができました。このように現代では障害があることが、必ずしも働くことにマイナスになるとの判断ではなくなりました。 福祉や企業が障害に対する意識が向上してきたのですが、ご家庭ではコンプレックスと思う方たちも多くいます。全国には知的障害者を受け入れる社会福祉法人が運営する施設があります。ここでは以前のように、郊外に開設し、送迎を行い、障害のない方との交流も少なくして、独自の価値観で運営されています。特別支援学校の高等部を卒業した方たちを受け入れ、“一生支援します。”をテーマに、主に生活介護系の事業をされています。利用される障害者は、授産としての単純な作業をして、一生この施設を利用されるのことになります。 時々、ここで働く職員や親御さんから相談をいただくのですが、単純な作業しかさせてもらえないので、一定期間ここを利用すると、それまでできていた「読むこと、書くこと、計算すること、また想像すること」などの能力が減退するとの悩みをいただきます。知的に障害があっても成長のペースはそれぞれであり、知識の習得や社会人マナーの理解、またリスキリングなどの学び治しの機会が必要になります。 就労系福祉には、自立訓練事業や就労移行事業、継続事業等が準備されており、社会で生活し、働くための多くのことを学ぶことができますので、いきなり生活介護事業を利用して就職の可能性を少なくするよりも、自立に向けて挑戦する気持ちになることも大切だと考えています。

Page Top