ブログ

17年目の新鮮

17期目になりました。長くもあり、短くもありましたが、障害福祉に関わることで多くの方と出会い、たくさんのことを教えていただきました。振り返りますと、平成18年10月に奈良県生駒市の築50年の住宅でNPO法人ぷろぼの は障害者福祉サービス事業を開始しました。テーマは“障害者の就労をITで支援する。”ですが、環境も職員も支援ノウハウも未整備で、“思い”だけしかありませんでした。利用者と相談しながらの支援で精いっぱいでしたが、ある日、利用者が描いたチラシが良くできていたので、“素敵なレイアウトと色合いですね。”と伝えたことがあります。後日談ですが、その方が帰宅後に家族に“人生で初めて褒められた。”と教えていただきました。わずかなことが彼らの自信になり、やる気を高めることになると確信したのですが、それにしても成人になるまで他人に褒められたことがない、このことに大きなショックもうけました。

平成25年にNPO法人から社会福祉法人に移行しました。社会福祉法人は公益企業に属しますが、独自の事業の収益で継続して運営する資金を得て、その多くを社会福祉分野に活用します。今日、政府から「成長と分配」が提唱され、「成長」は産業の育成であり、「分配」は社会福祉の充実になります。従来の企業は商品やサービス事業で得た利益で納税や雇用を維持することが社会に貢献するとした基本的な価値概念から、事業そのものが社会に貢献するものであるとした、あたらしい価値がつくられてきました。2015年に国連が提唱した17項目のSDGsがそれを具体化したものになります。生産分野だけでなく金融経済にもESG指標がつくられ、カーボンニュートラルの課題から企業を社会的な価値で評価することになり、グローバルな取り組みに発展しています。

今後の課題は、福祉職員の育成です。職員に求められる技能を確立するために、福祉組織の構成、福祉技能の構築、安定した生活環境の維持、これらを包括する新たなマネジメントの定義が必要になりました。社会福祉法人ぷろぼの は、障害者福祉を通じて社会福祉の充実のために活動しています。テーマは“福祉を科学する。”であり、共に育ちあう福祉を目指しています。職員はテーマを実現させるために“下学して上達す。”の精神で日々細やかな支援に努めています。この継続が多くの可能性に繋がると確信しています。

「はたらくことは私たちが生きるための大切な行いなのです。」

これからもよろしくお願いします。

Page Top