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ワーケーションから

秋が深まり白さを増したススキの穂が風に揺られ、奈良公園の木々も一段と色づいてきました。この頃はすぐに暗くなるので、なんとなくお酒を楽しむ時間が早まります。できれば国がWinter timeで就業時間を1時間早めるような政策を考えてもらいたいものです。

障害福祉の現場はいつものように利用者が多く来られ、就職に向けた訓練を受け、また実務を経験するために仕事に従事しています。職員は訓練の様子を見聞きして、アドバイスを加えて、理解を深めてもらう支援をしています。4時になると訓練の場は終了し利用者は帰宅されますが、これから職員は多くの事務作業が始まります。まず担当した方の訓練の成果や課題を数値や文字で詳細に記録し、全員で意見交換して支援の違いを調整していきます。次に明日の訓練プログラムの準備や場合によっては、利用者の面談や関係機関との情報交換をします。就業時間は5時45分なので、事務時間はわずかしかないのです。その間にスピーディに業務を処理し、支援の情報を集約して、職員の支援力を向上させます。

これが福祉職員の一日の業務スケジュールですが、突発的な事態や相談なども生じるので、都度多くの時間を要して対応します。この要務を体系化して、データベース等のコンピュータシステムで省力化を進めています。事務処理などの日常の定型業務を規格化することや福祉支援を標準化することで、徐々に効果的な支援を向上させる仕組みが検討できるようになりました。

コロナ禍でオンライン就労が一般的になり、在宅勤務や東京に集中していた本社機能を地方に移転する企業も出てきました。また業務を体系化し規格化することでオンラインでも高い生産性を維持できることを知る機会になりました。さらに福祉支援でもオンラインを活用することで利用者との信頼を作り上げることができることも知りました。

オンライン就労は、都会で満員電車に1時間以上もかけて通勤し、事務所や工場に集合して業務に従事することが、正規の働くことでないとの意識も広がり、通勤時間ほぼゼロで自分に適した環境で仕事をして、その後は、個人の時間として楽しむ、このスタイルがワーケーションの新語で表現されるようになりました。仕事が終わり、すぐにビールが飲める、趣味を始められる、また家族との時間になる、このように新たな時間の使い方が生まれています。平日に余暇ができるとこれから社会に何が生じるか、それが楽しみです。

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