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オンライン化

25年以上前に通信手法でISDN64が発表になり、従来の電話回線での通信速度に比べて格段のスピードが期待されました。当時、私はデスクに2台のパソコンとルーターを設置して、速度を検証しましたが、ほぼ期待値が得られ、感嘆したことを思い出します。それを利用して先端医療機関ではハイビジョン画像で遠隔で画像データを送信し、専門医が遠隔診断する取り組みがスタートし、教育分野では進学塾等が本部の授業を通信で全国の学習塾に配信するようにもなりました。それから隔世の感があり、現代は光通信で数100ギガバイトが保証され、コンテンツも高解像度の動画をリアルタイムで送信できるようになりました。

16年前に障害福祉分野に関わるようになりましたが、当時から障害福祉には日々の支援記録や関係機関との情報共有がありませんでした。当時の現場は、“障害者は一人ひとり違うので、システム化が難しく、現場で支援者の”想いや直感“が重要である、との考えが一般的でした。そのために、支援の内容を記録するデータベースやそれらを分析・共有して現場の支援に活用するような考えはありませんでした。それも原因になり、福祉分野ではオンラインの活用が医療や教育分野に比べて遅れてしまったと思います。

コロナ禍で福祉分野に強制的にオンライン支援が導入されましたが、多くの福祉事業者は混乱し、大半は電話で一日に2回ほど在宅の利用者に連絡して状況を確認する程度のものでした。その一方で、オンライン手法を重視すると福祉支援の質が低下するとの意見がでましたが、福祉はリアルな対応が必要な部門だけでないので、その他をオンラインにする業務分担が検討されています。私どもでは、就労分野で都会の企業と連携して、就職準備ができた方に、テレワーク就職をお勧めすることができるようになりました。

いくつかの福祉事業者のIT環境を調べてみると、驚くほど遅れていることが分かりました。パソコンが2、3台程度、ネット環境の設定はほぼ誰も分からない、支援の記録方法もよくてWordかExcelであり、データベースになっていないので、それを活用するとの思いまでは至っていません。またそれに疑問を感じている職員も少ない状況でした。これでは福祉分野のオンライン支援を充実させることは難しいので、このような点でもIT化の補助が必要になります。

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