ブログ
夢をひろげる
この時期になると20年前に闘病していたころを思い出します。生きることの可能性と向き合っていたので、将来のことなど考える余裕もなくなり、今日と明日のことのみを意識して生活していました。庭を眺めても葉を落とした木々が見えるだけでしたが、ふと塀のそばに白い水仙と鮮やかな色彩の花をつけたクロッカスがありました。その時、なぜかクロッカスが印象的で勇気をもらったことを思い出します。先日、水泳の池江さんが病気を告白されたニュースを見ながら、彼女の今の心境が少しわかるような気がして、テレビの前で諦めたらだめだよ・・とつぶやいていました。
13年前にぷろぼのを作り、障害者の就労を支援する福祉事業を始めましたが、真っ先に、病気や障害で家や病院をでることができない方たちに、最新の技術をお教えして、“あたらしい・はたらく”ことに取り組んでもらいたいと期待していました。テレワーク制度などの仕組みを活用した訓練や働き方を進めましたが、すぐに十分な支援プログラムもなく、また制度の理解や機器の活用についても、まだまだ実績や理解ができていない状況を痛感しました。
それから10年間で奈良県下に5か所の事業所を分散してつくり、訓練プログラムも現場で使いこなして精度を高め、それを運用する職員の育成にも取り組みました。その効果もありこの度、ようやく本格的にテレワーク支援の事業を開始することになりました。
通所の利用者は日々リアルにお会いしているので、言葉や文字以外にも表情や仕草で状況を的確に読み取ることができますが、テレワークは在宅支援なので、厳然と距離の壁があります。文字や言葉から多くのことを理解することが求められますので、現場で相当の準備をすることが必要になります。
テレワーク支援によって、従来の通所できる方の利用から、大きく対象者が広がります。引きこもりや寝たきりの方、病気で定期通所が難しい方なども、“はたらく“ことに挑戦できるようになります。ITやIoTなどの最新の機器と事前準備が距離の壁をなくしてくれ、誰もが希望する仕事に就くことができるようになり夢が広がります。