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優先調達制度の広がり
数年前から障害者の就労事業として、奈良東部にある自然栽培の大和茶の畑の草刈りをしています。毎朝、農業経験のある職員が利用者数名と共に奈良市内から車で移動します。茶畑の多くは小高い山の斜面に広がっていますので、平たんな場所は少なく、傾斜がありますが手慣れたもので、手際よくお茶の間にある雑草を刈り取っていきます。外での仕事は天候に左右されますが、少しばかりの雨でも足元を気にしつつ作業を進めています。
そんな時に奈良県から県内の大学及び病院施設の草刈りの仕事が優先調達制度で問い合わせがありました。相当に広い場所ですが担当している職員が下見して、草刈りと集草の工数を算出し、最適なチームを編成すると僅か2日で作業ができたとのことです。短期間で効率よく草刈りをするためには、機材の活用と共にチームの役割や連携が必要になり、意外と専門性が求められます。
また昨年度に生駒市から第5期の障害福祉計画の策定業務を受託しましたが、先日、新たにシティプロモーション企画の策定について問い合わせをいただきました。これは地域の魅力を内外に発信し、人材・資金・技術・情報を呼び込み、地域経済と暮らしを継続的に活性化させる活動とされています。人口減少下の地方創生の取組は、全国の自治体が互いに競い合い、観光や産業など華やかな事例を紹介する等、我が町の利点を誇示することになります。そのような企画にも障害者福祉が貢献できます。データの入力やWebサイトの構築に関わると共に、企画立案の基盤として地域で充実した福祉が求められますので、それを伝えることも住民の心理的な安全性を高める役割になります。
優先調達制度は、障害者施設等に行政等から特定の業務を随意契約で依頼する制度ですが、ともすれば従来型の単純な業務や記念品などに使う物品の購入等になりがちですが、福祉施設が高度な草刈りや事業企画等の専門的な業務ができることを具体的に示すことで、次年度以降の継続的な受注や他の分野の受注に広がる可能性を高めることになります。