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就活準備

もう50年近く前になりますが、私も大学4年時に就職活動を経験しました。私の友人が流通系企業に就職を希望していましたので、暇に任せて企業説明会に同行しました。ある大手デパートでは、その企業で多く採用している大学のみ待合室が違っていることに遭遇し、ここまであからさまに学閥偏重するのかと思いつつ、友人にこんな企業はやめたほうがいいと忠告したことがあります。今の時代もこのようなことがあるとは思いますが、それでも徐々に人物本位で採用をお考えになる企業が増えてきているとも感じています。

障害者の就職活動には、一般雇用枠と障害者雇用枠がありますが共に企業が望む人物像は「人柄」です。社会人としての常識が備わっていることになり、主に気持ちよく挨拶ができること、業務において報連相ができること、コミュニケーションによる意思疎通ができることを重視されます。少し以前の日本ならば常識的なことなのですが、今では意外とこれらができない方がいます。

できない理由に「障害」を上がることがありますが、ほぼそうではなく、障害のない方でも気持ちよく挨拶のできない大人がそこここにおられます。個人の生活では看過されることでも、企業ではそこに独自の文化があるので、それを理解し的確に対応できることが採用の条件になります。

一方、就活している障害者に特別な技術や資格にこだわる方がいます、事務職を希望して簿記の資格を、福祉関係では社会福祉士やヘルパーなど、またIT系ではプログラミング技能などの習得に多くの時間を費やされます。これも本人が資格や技能を生かした仕事に就きたい、専門職として働きたいと将来の目標が明確になっていればいいのですが、一般就職のために持っていたほうが有利になるからと思われる方がいます。

採用する企業の意見ですが、資格や技能はそれを使って就労した経験が3年程度あることが条件になるので、あくまでも参考程度であり、それよりも社会性のある方を望まれます。資格や働く技術は採用後に企業が育成するプログラムを準備しているのでそれからでも遅くないとのことです。

就活している方には、知名度や規模も気になりますが、会社の情報が公開されていること、職場環境が整っていること、育ててくれる準備ができていることを企業選択の基準にしてほしいものです。福祉の就活の基本は社会性の育成なので、それが就職して自立する近道になります。

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