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新しい職員から
今年も新たに10名ほどの職員が加わりました、学卒の方、少し社会経験のある方、またキャリアチェンジの方もおられます。毎週月曜の午後に配属先から研修会場に集まってもらいます。研修内容は、法人理念や方針から、順次、社会人マナーや福祉事業の役割にまで広がります。ここ数年の新人は、ご自分の意見を持っている方が増えたと感じています。以前はなにげなく福祉分野に来られたとの印象がありましたが、このところは、福祉で働くことの意義を強く持っておられるので、将来を担う新人職員には期待が膨らみます。
私は、働くことの基本的な考え方として、学校での学びと企業での学びの違いを感じています。特に新卒の方には、学校の学びは、問題に対して概ね一つの答えを導くことが良いとされていますが、社会で働く時は、無数にある答えからできるだけ正解に近いと思われる答えを選択するので、ある意味で「答え」は無数にあり、それを調査、助言を経て、絞り込みをし、最後は直感で決めているので、絶対的な「正解」はないと伝えています。
仕事ではたえず環境や条件が違いますので、時として「正解」は事前に想定したものと全く逆になることもあります。例えば、新製品を計画し、事前にターゲット調査を行い、分析結果から、特長、形状、成分、用途、販売方法、時期などを想定しますが、調査の結果から多数の評価を得たものを採用するとは限らないのです。評価が低いものでも時代の変化やターゲットの意識の変遷を推測することで採用されることもあります。
適度に風を読み最後は「直感」に頼ること、いくら趨勢を分析しても「正解」を精度高く導くことはできないのです。そのために長く働いている方の意見が正しいとも限らず、新人だから間違っているとも言い切れないのです。“曖昧さ”を受け入れている実態を知ることで、社会ではたらくことが楽しくもなります。
福祉の現場の新任研修は多くの場合に中堅職員が担当します、年齢や経験が近いものが担うことで、難しいロジックも分かりやすいものになってきます。それと共に、中堅職員には、もう一度新人時代の新鮮な価値観を思い出させてくれる良い機会にもなります。
ぷろぼのでは新任研修の内容をいくつかに分割して中堅職員が分担していますが、彼らには「伝えること」で「学び直すこと」があると謙虚な気持ちで対応することを期待しています。