ブログ

おしゃべりで締めくくり

今年も残すところ3週間ほどになりました、早いもので月捲りのカレンダーも最後のページになりました。明るい話題では、リオ五輪、パラリンピックがあり若い選手の活躍に大きな感動をいただき、プロ野球では広島カープの優勝も印象的でした。福祉関係では、奈良県障害者差別禁止法として「障害のある人もない人もともに暮らしやすい社会づくり条例」が施行され、障害者の社会参加や就職活動について、具体的な合理的配慮事項が提唱されました。

ぷろぼのでは、昨年から建設していました木造5階建ての福祉ビルが完成したことです。奈良の木をふんだんに使用した全国でも初めてのCLT工法の建築は多くの皆様から関心をいただくことになりました。Fellow Ship Centerと命名し、地域の皆様が気楽にお越しいただける奈良の社会福祉の拠点としての役割を進めています。

暗いニュースは、相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者19人が殺害された事件です、これは大きな衝撃とともに全国で障害のある方を支援している施設でも、安全面や体調の維持などで緊急で細やかな対応が求められました。この事件は障害のある方の人権についても再びの議論を求めることにもなりました。

私は「障害者」ですが、この言葉の使われ方に疑問を持っています、制度上この名称が使われているので、仕方なく使用していますが、世間の一般的な意味としては。“障害者とはできない人”として、捉えられていると感じています。それでも知識があり好意的な方は、多くの場面で暖かな対応をしていただきますが、そうでない方は、対応への戸惑いとともに、差別的な言動をされる方もおられます。

私は発声障害ですから、“声を出すことができない人”なのですが、それ以外は年齢相応にでき特段不便を感じることはないのです。障害者はすべてのことができない人ではなくて、障害認定されている事柄だけができない人なのです。障害の程度に応じて日々の生活で多くのことができない方もおられますが、必ずしも、障害の重度性と働く力とが比例しているわけではなく、そのような方でも仕事で能力をいかんなく発揮される方もたくさんおられます。

近年、障害福祉でも生活自立、社会自立、就労自立が求められるようになり、障害のある方や関係者の意識も変わり、社会と距離を持っていた方も、出会いや日々を暮らすことで徐々に社会に適応されるようになってきました。人は社会で暮らす生き物なのですから、社会から隔離などの対応はよい結果を導くことにはならないのです。

木造福祉ビルの1階には、地域のまかない食堂があります、お昼は地元の食材を使った定食を、夜は地域の居酒屋になり、食事やおしゃべり、音楽を楽しむ場になり新しい出会いが日々増えています。皆様のお越しをおしゃべり付きでお待ちしています。

Page Top