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福祉ビルの役割
皆様にお伝えしてきました「ぷろぼの福祉ビル fellow ship center」がようやく完成しました。CLTの新しい技術の大変さと関係者の熱意に大きな感動をいただいています。そして多くの方のご理解とご協力をいただいていることに、改めてお礼を申し上げます。このビルが地域の福祉や市民活動及び産業の拠点として、その一旦を担うことができるように頑張っていきますので、これからもよろしくお願いいたします。
今年も東洋経済社から「全国の都市住みよさランキング」が発表になりました。791都市を対象に、安心度、利便度、快適度、富裕度、住居水準充実度の5つの項目から15の指標を決め、偏差値の単純平均で行われています。総合評価の1位は千葉県印西市、2位が愛知県長久手市、3位が石川県能美市となりました。
1位となった千葉県印西市は、都心まで50分ほどで4年連続トップになっています。1980年代半ばの北総線「千葉ニュータウン中央」駅開業とともにニュータウンへの入居開始を機に人口流入が始まり、その後、北総線の都心への乗り入れや延伸によるニュータウン区域が拡大されて、さらに人口の増加が進んでいます。こうしたことから「利便度」5位、「快適度」28位、富裕度45位と3部門で全国トップクラスの評価となっています。
奈良県では27位に生駒市がランクされています。奈良県は大阪や京都府に面しており、労働人口の半数以上の方は県外で働いています。大阪府に接している生駒市、生駒郡、香芝市などは大阪のベットタウンといえるかもしれません。
1960年代から千里や泉北、多摩ニュータウンが誕生しましたが、現在ではCCRCの取り組みにもみられるように、都市部の高齢化や貧困も大きな課題になっています。この偏った年齢構成が進むことで大型ショッピングセンターの閉鎖や公共交通機関が減少して、車社会の現代では、運転ができなくなった高齢者が孤立し、日常生活にも支障をきたす買い物難民と呼ばれるようになっています。奈良は中山間地を開発した地域が多くありますので、老化と共に坂道が障壁になってきています。また障害者の就労と共に就職困難な若者や子ども家庭の貧困も社会問題化してきています。
障害者の就労による自立した生活の実現には、地域にある課題と関連させて取り組む必要を感じています。仕事があり安心して生活できる“住みよい町”には時間の経過と共に多くの課題も顕在化してきますので、これまでの事例も検証して、これからの地域の課題にも真摯に向き合う姿勢が大切になります。福祉ビルの役割がこれから始まります。