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古都奈良に波動
連休が終わると急に夏のような陽射しがつづき、春のさわやかな季節であったはずの五月がどっかに過ぎ去ってしまったようです。それでも4月に植えた夏野菜は暑さを受けて順調に芽を伸ばして、花をつけ、小さな実をつけ始めました。青々とした新芽の成長は、クリップ止めや枝の誘導などをすることになりますが、それもまた楽しい作業になります。
五月は、ぷろぼのグループも慌ただしくなり、26年度の報告や決算書の作成などが佳境を迎えています。それでもみなさんの頑張りで、徐々に形になってきました。毎年のことですが事業報告書は年々そのページ数が増えてきています。それだけグループの事業や活動が多方面に広がっていることになります。報告書では利用されている方の訓練の状況や就職への取り組み方の報告だけでなく、訓練の成果についてアンケート調査の報告もしていています。同じ項目を数年にわたって調査することで、訓練の内容や成果の経時変化を知ることもできるようにしています。
職業訓練を利用されている方の評価はいろいろですが、なかでも身近に働く場があることについて関心を示されています。具体的に働く場があることで日々の訓練の意味が理解でき、さらに集中できることを示唆しています。そのためにグループでは、独自に働く場の創設にも取り組んできましたが、それでも雇用できる人数には限りがあります。
そのようなときに、厚労省が発表した4月からの障害福祉サービス事業の利用料の改定では、一般企業への就職、及び定着性を職業訓練の成果とするとのことになりました。これは奈良のように障害者数の割に、彼らを雇用することができる企業数が少ない地域では、福祉による職業訓練事業では、従来型の福祉支援だけなく新たな取組が必要になってきます。
その取り組みの一つとして、福祉関係者、NPOや若手の社会起業家などと連携して、新たな働く場を創設する事業を開始しました。合言葉は、“奈良の仕事は奈良の業者でする”です。古都奈良はゆっくりと時代の流れを感じるような土地柄なので、新たな産業の創設を積極的に推進するような風土ではないのです。そのために大手企業だけでなく若い方が主導した産業も育ってないのが現状です。奈良県内の最大の企業は奈良県庁・・といわれる所以なのです。
それでも近年、古都奈良にも若くて元気な社会的企業家が集まってくるようになりました。時代が少し動いてきたのでしょうか、以前にもまして新たな波動を感じるようになりました。この期を大切にして将来の奈良づくりに向けて、オール奈良で彼らを支援する仕組みを構築する必要を痛感しています。