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白書からの想像
12月になり奈良にも猛烈な寒波が襲来しています。そのような折に恒例の年末職員交流会を開催しました。会場は奈良で最も寒い地域といわれている柳生にある奈良市青少年野外活動センターです。キャンプやバーベキューをするには最高の場所ですが、この時期は施設内でも底冷えが最高で容赦なく足元から寒さを送り込んでくれます。この会場を利用させてもらう理由は、この施設が地元の皆さんが設立したNPO法人が指定管理を受けているので、この団体と交流することにあります。地元のお母さん方の手作りのししや大和肉鶏の鍋料理をいただき、暖かな時間を過ごすことができました。
交流会の前に今回は法人の理事であり、関西学院大学福祉学部の准教授の梓川一先生に講演をしていただきました。約2時間、福祉の基本である「人の生き方、家族の在り方、他者を思う心の持ち様」について、先生の体験を含めた熱いお話をいただきました。参加した約50人の職員が共感するシーンが多々ありました。感動、まさに大感動の講演でした。
私たちは日々障がい者と向き合って、就労により地域で経済的に自立した生活ができるように支援をさせていただいています。最近は、精神疾患や発達障害などにみられる、人が本来持っている基本的な価値観と少し異なったケースも増えてきています。そのために障がいの特性や対処法など、多くの知識と技を身に付ける必要に迫られています。ただ、そのような場合でも、基本は人としての温かさや思いやり、また自ら考える力を持つことが大切であることを改めて思い起こすことができました。
今年も、内閣府から障害者白書が公表されました。主に、6月に制定した「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)」と1月に批准した「障害者権利条約」を基本にしたものです。具体的な支援についての考え方として
・障害者の自己決定の尊重と意思決定ができるような支援
・当事者本位の総合的支援
・障害特性に配慮した支援
・アクセシビリティの向上
・総合的かつ計画的な支援
このように書かれています。
長い期間を経て、この2法案が制定及び批准されたことはありがたいことです。いくつかの課題はあるのですが、これからは障がい者も自らの意思で決定し、生きていく力を持つことの大切さを感じ、さらにこの輪が大きな広がりになることを願っています。