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ラジオ体操に学ぶ

この時期は一年で最も明るい時間が長くなります。梅雨の合間をぬって朝5時前には朝日が昇りはじめ、私たちに一日の始まりを教えてくれます。年齢を重ねればそれでなくても朝起きは大の得意になります。昔はそこにニワトリの鳴き声がプラスされるのですが、私が住んでいる町では、お寺の鐘音や遠くに始発電車が走る音がガタゴトと聞こえてきます。子どものころには、もう一つラジオ体操の音楽に起こされてパジャマのまま駆け出したものでした。夏休みの恒例であり、参加して、係りをしている近所のおじさんから、ハンコをもらうのが楽しみでした。

そのラジオ体操ですがてっきり日本固有のものと思っていましたが、なんと1928年にアメリカの保険会社で行われていたものをヒントに作られ、翌年から全国放送が開始されたとのことです。第一・第二体操の効果については、「十三種類の運動によって全身を動かし、ふだんの生活では使用しない筋肉や関節、骨に影響を与える。特に筋肉や関節を十分動かすことによって柔軟性の向上、血行増進からの肩こり、腰痛の予防・回復を期待することができる。また、骨に刺激を与えることによって骨の成長・活性化を促し骨密度低下の予防・回復も期待することができる」と書かれています。たしかに、まじめに第二まですると汗が滲んできて、翌日は間違いなく筋肉痛がやってきました。

福祉の現場で就労訓練の準備運動としてラジオ体操を取り入れてみました。ネットからラジオ体操動画を手に入れ、毎回スクリーンに投影しそれを観ながら全員で始めましたが、意外と出来ない方がいることに驚かされました。最初はいくつかのパートに分割して、繰り返し音楽に合わせることで徐々に慣れてこられ、10日ほどでラジオ体操第一が全体を通して出来るようになりました。

ラジオ体操の魅力は音楽を聞き、テンポに合わせて身体を動かすことですが、それだけでもなく、たえず次の運動に移ることを意識し、呼吸を合わせて段取りよく身体を動かすことの大切さを改めて感じさせられました。身体的機能としては、音楽を聞くこと、連続した動きを知ること、呼吸を調整することになり、聴覚、視覚、タイミングの認識など、いくつかの身体機能を統合して連動させる訓練に応用できることが見えてきました。

もう一つの魅力は、全員で一体化して行うとこにあります。多くの方にとって耳慣れた音楽と動作が、自然に一体感を作り出しています。子どものころに参加した夏休みのラジオ体操会も世代を超えて地域の方が自由に参加する場になっていました。福祉の現場でも同様に雰囲気が良くなり、一体感が生まれ、皆さんの姿勢が良くなり、会話が増え、表情も穏やかになってきました。盆踊りや祭りの神輿やお囃子も、いろいろな意味を持ち、地域のために大切な役割を持っていたことを感じています。

次はストレッチをかねて、モデルウォーキング・・に挑戦したいものです。“みんなでできること”から“楽しくできること”にステップアップしてみたいものです。

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