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地域と共生する環境ビルGreen Fellow

 先日、名古屋の都心部にある環境ビルGreen Fellow にお伺いしました。都市型環境共生ビルと定義されている内容にふさわしい建造物でした。5階建ての鉄骨構造の建物の外壁には、夏ツルやツルバラが絡み付いていました。この時期なので葉は枯れ落ちていましたが、しっかりとツルが外壁に張り付いている光景を見ることができました。また最上階には畑や果樹の庭園があり、春になれば野鳥や蝶々が群れてくることもあるとのことです。
室内の床、壁や天井には丁寧に塗られた珪藻土やヒノキ材、桐材、竹材が使用されていて香りとともに暖かさと安らぎを感じることができました。
 エネルギーや生活水についても、小規模のソーラーパネルや風力発電、ペレット型ストーブが完備されています。地下には40トンの水槽が設けられ、雨水の活用から災害時の生活用水の準備などがされています。地域の方たちにとっては、災害時に電気やガス、水道などのライフラインが破損した場合に、復旧や救援物資が到着するまでの2から3日の大変な期間でも、このような場があることで大きな安心基地になると思いました。
 今回の訪問の目的は、新大宮に法人の本部となるビルを建設する計画がありますので、その建物が、福祉的にどのような機能を持ち、どうすれば利用される方たちにとって快適な空間を提供することができるのか、また常時や災害時に地域でどのような役割を果たすことができるのか、などの情報を確認することでした。
オーナーの牧村さんに「Green Fellow」の命名の理由を尋ねてみると、学生時代にアメリカ合衆国の35代目大統領であるジョン・F・ケネディが就任時に演説した文を知り、その中で国民を「my fellow citizens」(仲間たちである市民のみなさん)と語っていることが強く印象に残っており、その語句を引用して命名したとのことでした。そしてこのビルを地域と共に生きる建造物にしたいとの思いを強くされたとのことでした。
ちなみに演説の前文は、
In your hands , my fellow citizens , more than mine , will rest the final success or failure of our course .
(われわれのとる道が、最終的に成功するか失敗するかは、私以上にあなた方市民の手にかかっているのです。)
 このように地域との共生を意識して事業をされている方にお会いすることで、私たちは現代社会でも、自然と共にのどかに生き、地域と共生することの大切さを再確認することができた一日でした。ありがとうございました。

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