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奈良は住みやすい町ですか。

 奈良は安心して働いて生活することができる地域なのだろうか、満足できる町なのだろうか・・について、毎年、奈良県で県民意識調査がなされ、地域社会で重要なことや満足なことについて調査結果が出ています。平成24年の調査によると、住民が重要であると考えている項目と満足している度合いの高い項目として、いくつかの項目が挙げられています。
 具体的には、食品・薬品等の安全性の確保、犯罪にあう不安のない暮らし、公共交通の利便性、地域の景観・町並の美しさ、ゴミ・リサイクルの促進、子どもが健全に育つ環境づくり、などがあります。一方、重要度は高いけれども満足度が低い項目には、多様な就業環境の整備、市町村行政に対する住民意向の反映、失業の不安がない社会づくり、安心できる周産期医療体制、防災対策の充実、高齢者・障害者が安心できるまちづくり、などがあります。
 この結果から想像しますと、奈良の住民は景観や街並みが美しく、安全で子育てに適した町であり、ゴミやリサイクルなど住民の環境意識も高いことが生活上の重要項目であり、満足度についても高く評価していることになります。
 一方、重要性があるのに現状では満足していない項目としては、行政主導型で住民の意思が反映されていない、医療や福祉の充実が遅れている、住居の近くで働く場や希望を満たす職種が少ないなど、が挙げられています。
 これが地域課題になりますが、行政色が強い印象があることについては、原因として文化遺産が豊かで、江戸時代は天領であった地域性から、“お上に依存する”風潮が培われていることを感じます。大きな変革を期待しないで、歴史的に受け継いでいる文化や風習を大切に継承することなのでしょうね。
 医療や福祉の充実が遅れていることは、周産期の医療事故を契機に奈良の医療体制が明確になったことも大きく影響しているようです。福祉、高齢者や障がい者支援については、意外と保守的な傾向があるようです。これも“お上依存”の体質なのでしょうか、福祉資源の整備や取り組む姿勢などについても主体性や自主性の醸成が意外と遅れていることを感じています。
 住居の近くで働く場や希望を満たす職種が少ないことについては、データでは住民の半数以上の方が大阪や京都などに働きに出かけています。地元に働く場の数や質が十分にないことが原因のようです。奈良労働局によると、従業員が50名以上の事業体が450社ほどで、サービス業の比率が高いことが挙げられています。質量ともに不足していることが、県内の女性の専業主婦率が全国一位になっていることの一因になっていると推測できます。
 障がい者の就労支援についても、上記の課題が大きく影響しています。福祉支援が十分でないことから、障害によって働くことをあきらめ、前向きな生き方ができなくなることがあります。結果として、ぷろぼのの福祉の現場では、利用者の社会力の向上やモチベーションを高めることがとても重要なことになっています。福祉支援や働く場を充実させることが、障がい者の就労支援になり、県外への長い通勤時間を要する職場や職種を選ぶことが制限された就職活動の状況を改善することに繋がっていきます。いろいろありますがこれからですね。

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