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24年度の活動について(就労支援プログラムの充実)
真夏の日差しが日々強くなってきます。あの梅雨が恋しくなる・・思いがします。この季節は就労を支援する事業は忙しいのです。3月までに卒業された方と交代して、新規の方が多く来られます。彼らは日々訓練を重ねることで、思いや状況や環境が変化してきます。それを現場で見極めながら的確に対応するには、システム化された訓練プログラムの確立とそれを運用する職員が必要になります。
以下は定期的に発刊している機関誌probono pubilico春・夏版 に掲載している内容です。
おかげさまで、ぷろぼのは創業7年目になりました。この間に多くの方の暖かいご支援をいただきましたことを、あらためてお礼申し上げます。福祉の現場では就職を目指す方に向けた活気のある取組が毎日行われています。その指針となっているのが、「就労支援プログラム」です。目指している目標は社会人としての人間性の育成です。多様な障害種別や程度、年齢や性別、希望する職種や思いなどを受け止め、利用される方の希望に沿った支援ができるように、少しですがバージョンアップを繰り返してきています。
2年間の基礎的な訓練
社会人として企業で働くために、利用される方の職業能力評価と技能の習得を大切にしています。
一年目は、コミュニケーション力の育成、ウォーキングでの体力強化、ビジネスマナーの習慣化、PC基本操作の習得、グループ訓練で相手を思いやる気持ちの育成を行います。多くの方は職業経験が少なく、友人も多くないために、年齢に応じた社会性が育成されていない場合が多々あります。訓練の場でも、ちょっとした気遣いや声掛けが不足して、仲間や支援者への注意がおろそかになってしまいます。訓練では細かな手順や作業の必要性について話し合い、相互に理解してステップアップをしています。問題や課題の大半は経験していないことが原因になっています。ですから繰り返すことで、気にかけるタイミングや作業手順などの理解が進んでいます。“小さなできること”を積み上げることで、働く自信と希望が膨らんでいきます。
二年目は、自分に合った職種や職場の選択から始まります。基礎的な訓練プログラムの結果から、客観的な職業能力評価で目標とする方向が具体的になります。ですから、はじめに希望されていた職種から変わってしまうこともあります。資料を基に相互に話し合い、目標を決めていきます。目指す職種に向けたプログラムは、主に事務系と作業系になります。事務系はPCでデータを入力することや会計処理、PCハードのメンテナンス、HPの制作、Webシステムの開発、PC操作指導などがあります。作業系はピッキングなどの現場事務や部品の組み立てなどの手作業、清掃などがあります。これからは職種に必要な職業技能を身に付けることで就職の可能性を広げていきます。
“働くことをイメージする”ための実践訓練
基礎訓練が終了後すると、内部実習や一般企業での外部実習が用意されています。また実習は一人ひとりが自らの障害特性を理解することも目的にしています。職場で配慮が必要な項目を明確にすることです。光や音、広さ、資料の位置、上司とのコミュニケーションの方法、指示命令の内容などを自分に合った具体的なものにする役割があります。どのような職場環境ならば働くことができることを自己理解することになります。
順次、ジョブ・コンサルティングや面接練習などを経て、いよいよ就職活動です。もうこの頃には、スーツが似合う着こなし上手になっていて、たのもしい限りです、本年も40人ほどの方が卒業することになります。多くの方が就職できるように職員一体となって支援に心がけていきます。
6月16日(日)に奈良ロイヤルホテルで事業報告会を行います。この間職員みんなの頑張りで、100ページに及ぶ事業報告書を書き上げました。これをご参加いただくみなさんと共有することになります。