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見学会の思い

 養護学校の生徒のお母さん方への「ぷろぼの見学会」を、9月の下旬から10月上旬まで6回行いました。事前にご予約をしていただき、毎回大変多くの方がお越しくださいました。10時30分に事業所に来ていただき、簡単な事業の説明後に、就労移行支援の事業内容とA型事業の働く場を見てもらいました。その後参加いただいた方、おひとりお一人から感想やご意見を伺いました。あるお母様は、養護学校の高等部の1年生でこれから将来に向けて、どのような仕事を目指したらいいの・・?、またある方は、パソコンが使えることや興味がないと利用できないのでしょうか・・?などの質問があり、1時過ぎまで延長することもありました。
 実は今回の見学会を開催させていただいた理由の一つに、“ぷろぼのは軽度な障害でないと利用できないのでは・・、や”パソコンが使えないといけない・・“?などのご意見を事前にお聞きすることがありました。養護学校の進路担当の先生からも、上記と同じような意見が聞こえてきました。私たちはそのような思いで事業をしているのではないのですが、どうしても「パソコン」が前面に出てしまっていることを改めて知りました。
 ぷろぼのの事業方針は、「社会人づくり」です。それは以下の4つのことです。
・社会的な常識やルールを知ること
・他人を敬う気持ちを育むこと
・一般的な教養をやしなうこと
・現代人としてパソコン操作ができること    です。
養護学校を卒業して18歳で社会に出たときに、戸惑うことが多くあります。礼儀作法、挨拶、言葉遣い、また仕事では、報連相などの報告・連絡・相談の仕方、仲間との共同生活や職場での会話など、学ばなければいけないことがたくさんあります。それらをすべて家庭や学校教育で行うことはできません、これら4つのことを少しだけ知ってから社会に出ることで、いろいろな生活の場面で異質な体験を繰り返し、社会で生きていくための細かな行動や考え方を身につけることができるようになります。“社会が人を育てる”、“人は人によって育てられる”、人は社会で生活や仕事をすることで、他人との距離感や感覚を習得することになります。
 そのために、個々の特性を知ることが大切になります。“なにが好きで、なにが嫌いか・・”から“できること、苦手なこと”を明確にします。それを理解したうえで支援計画を作成し、成果を確認し、互いに共有して2年間の訓練を継続します。自分に合った社会との接し方を個々にお教えすることになります。
 最後に、ある方から、“私の子は見させていただいた訓練や仕事ができるとは思えません。”とのご意見がありました。このようなお気持ちをうかがう度に、私たちの力不足を痛感します。それでも私たちは、若い方たちの成長や可能性が無限であることを経験しています。いまできることを一生懸命にさせていただくことで、一人でも多くの方が社会で生きていくことができる技能を習得できると信じています。
 多くの方のご参加を改めてお礼申し上げます。

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