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成人になれば・・・
先日、大阪ガスの社会貢献活動「はじまるくん」の活動で、中古パソコンをリユースパソコンにして、近畿県内の福祉の事業所に寄贈する「パソコン寄贈式」が、株式会社オージス総研でありました。今年で3回目となり、寄贈するPCも130台に増え、寄贈先も125団体に広がってきました。この「はじまるくん中古パソコンの寄贈事業」のメンテナンス分野のお仕事を「ぷろぼの福祉3Rセンター」でやらせていただいています。この取り組みは2年前から始まりました。当初は、高の原事業所の一角の本当に狭い場所でスタートし、オージス総研のご担当の方から、メンテナンスのやり方から仕上げの精度など、大半の業務のご指導をいただきながらはじまりでした。それから2年がたち、奈良県の新しい公共事業の助成をいただくことで、場所も設備も人員も配置できるようになりました。
日々、実際のお仕事をいただき、仕様に沿った成果を上げていくことが要求されるようになりました。担当する職員を中心に、就労移行支援の事業所で訓練を受けている方が、この「ぷろぼの福祉3Rセンター」で、内部実習が受けられるまでになりました。ここで実習を受け、働くことに自信が持てるようになった方も出てきました。さらに、頼もしいことに、ここで将来も働きたいと希望する方も出てきました。
ぷろぼのの就労移行支援の事業を利用される方の6割が就職未経験者ないし短期アルバイト程度の方です。「働くこと」の具体的なイメージが持てていない方が大半です。それだけに「ぷろぼの福祉3Rセンター」では、訓練では実感できない、「働くこと」を実感できる貴重な場になっています。彼らが、働くことになかなか踏み込めない大きな理由に、実感できないことがあります。
働くことは日常の生活からでは、なかなか習得できません。それは規則と責任が違うからです。規則や責任には、時間や成果、協働があります。これらは自分で決めることではなく、会社ですでに決められていることです。これに従って、働くことを求められることになります。それだけに日常の生活とは、違う点が多くあります。これらを本当に身につけることができるには、「働くこと」の現場に参加する以外にはないのです。
成人になれば、生家を出て、自立した生活を始めることが、少し前の日本社会では一般的なことでした。今でもその精神は継承されていますが、少しほころびが出てきています。障害者の就労の基本は、この「成人になれば誰もが働く・・」なのです。働くことで人は育てられ、大人になり一人前の社会人になっていきます。
就労移行支援の訓練では一般的な知識と技能を習得して、社会人としての基本を学びます。そして実習でそれを自分のこととして具体的にイメージし、働くことで体得します。この手順を継続することで、人は誰しもレベルアップしていきます。これが私たちの就労支援の基本理念です。