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「ならを語る」24年の春
この春でぷろぼのの本格的な活動が6年目になります。その間に社会人としての技量を身につけて、また企業とのよき出会いがあって就職し卒業していった方が50名ほどになります。彼らが時々立ち寄ってくれます。昨日も奈良市内の事業所でクリーニングや縫製のお仕事をしている方が来てくれました。屋内の仕事ですがなぜかこんがりと日焼けしていて、たくましく元気な顔を見ることができました。ホッとして幸せな瞬間です。
障害者の雇用は、正式な採用を前提とした「トライアル雇用」の制度を使用することがあります。おおむね3か月の試用期間になっています。その間職場で慣れない業務に懸命に取り組んでいる姿はまさに感動ものです。そして本採用が決定し、正式に従業員として働きはじめることになります。知識やマナーは学校や訓練機関で習得することができますが、それを仕事の場で使えるものに仕上げるには、職場の支援が不可欠です。私が就職した40年前は、企業が社会人を育てる場でした。学校や訓練機関に所属していのはほんの20年程で、その後は企業の働く場で人生の大半を過ごすことになります。そこで仕事の技術をはじめ、職場での人間関係、社会人としての振る舞い、大人としての生き方などを身に付けて行きます。つらいこともあるでしょうがそれが自分の成長の糧になります。卒業生の自信に満ちた表情から、すでにそのようなことに気が付いているように感じる瞬間があります。
奈良の地でこのように元気で頑張っている人たちがいることが、障害者の就労支援をしている私たちの自慢です。彼らの技量の;習得の場づくりとして、「なら語り大人の名刺」事業を始めました。これは正倉院の宝物などに描かれている紋様をモデル化して、万葉集などの和歌と組み合わせた名刺を制作する事業です。紋様は、奈良女子大学の藤野先生のご支援をいただき、また和歌の選定は、ならまほろばソムリエの鉄田さんにご協力を頂きました。目的は、奈良の文化と思いの伝道師づくりです。名刺交換の場で奈良の思いを語る・・興味のある分野をさりげなく語る、これも奈良に関わる大人のちょっとした贅沢な瞬間です。
平城京遷都1300年から記紀万葉1300年プロジェクトなど、今奈良の文化が新しい魅力を発信しています。この活動の一助になればと期待しています。只今「なら語り大人の名刺」の制作依頼を募集しています。