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就職面接会の不思議・・
障害者の秋の就職活動の主なイベントは、ハローワークが主催する障害者就職面接会である。奈良県は南北に長いので、南部と北部で開催される。事前に日程や参加企業や求人情報が記載された案内書が配布される。就職を希望する障害者は、目標とする企業や職種を選び、日々ビジネスマナーやジョブガイダンスなどの訓練を熱心に受講する。“志望動機はどのように答えたらいいか”、“自らの障害特性や配慮事項”を分かりやすく伝えられるようにまとめる。また社会人として姿勢や態度、話し方、服装などについて好印象なものを教わる。彼らはこの面接会に向けて、約1年間の準備をしている。
障害特性から、対人が苦手な方、話すことが得意でない方、自らの障害について詳細に説明することに抵抗を感じている方、いろいろな思いを持ちながら、日々の訓練に励んでいる。中でも履歴書の書き方はなかなか手ごわい訓練の一つである。学歴や職歴までは順調に書き進むが、志望動機や障害認知、特技については、いろいろな思いがめぐり、一つにまとめるのは大変である。書きながら担当者と話し合い、わかりやすい表現を探していく。
就職面接会はこのような求職活動をしている障害者の希望で開催されている。北和会場では15社、21職種の求人があった。それに対して当日会場に来た求職者は約200人である。まさに狭き門である。企業の求人ブースでは熱心な面接が行われていた。時間がなくなりしかたなく履歴書の提出だけになったものもいる。
問題はこの後に生じたことである。この就職面接会の趣旨は、“その場で面接を受けることができる”ことである。通常の書類審査がないのが通例である。それなのに面接を受けることができなかった者に、後日履歴書だけの判断で「不採用通知」が来た。このような処理方法は、この会の趣旨からは逸脱していると考えるのが一般的である。それでも主催者及び関係機関などどこからも改善についての対応があった旨を聞くことはない。
長い期間の訓練の成果が就職に結びつかなかった者は、また翌日からこれらの経験を生かして、多くの訓練に取り組む。その姿勢は真剣である。これが就職決定という“よい出会い”に結びつくことを信じて頑張るだけである。