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自立と自律。“働く場”を目指して
私たちは、“なでしこ”から、あきらめないこと、努力すること、団結することの大切さを学びました。「ぷろぼの」の主たる業務は、障がい者の就労を支援し、働くことでの自立を実現することです。ここで“働くこと”について、考えてみましょう。以下に3つの働くことの目的を書いてみました。
①経済的な実現(生活及び社会活動資金の確保のため)
②自己的な実現(自分を生かす、やりがいを感じるため)
③社会的な実現(社会人としての責任、住みやすい地域社会づくりのため)
私たちは、3つのいづれもが“働くこと”だと考えています。それは、正規雇用、アルバイト、ボランティアであっても、時間や役割、収入が決まっているものを“働くこと”だと定義しています。
障害者雇用の現状
先日、奈良労働局から平成22年度の奈良の企業の障がい者雇用実態が発表されました。対象は56名以上の従業員がいる企業です。障がい者雇用総数1367.5人、対象企業総数410社、雇用率達成企業数234社(56.0%)となっています。56名以下の従業員数の企業で、一般的に1,600人程度が働いていると言われています。企業の障害者雇用率は1.8%です。
企業の姿勢
障がい者雇用について企業の考えをお聞きしてみると、雇用は難しいといわれる企業もありましたが、多くは障がい者雇用に前向きな意見をいただきます。ただ障がいについての情報がなく、どのように対応したらいいのか、仕事はなにを、困ったときは誰に相談したらいいか、など戸惑いの意見が大半でした。これらのご意見に誠実にお答えすることから、障がい者雇用は始まると改めて感じています。できれば障がい者雇用の現場を見てもらえるモデル的な働く場を作りたいと考えています。
A型事業所で就労
企業就職が難しい障がい者の働く場を準備することも大切です。障害特性から、通勤や移動、集団性、音や匂い明るさなどが理由で、企業で働くことが難しい方も多くいます。それでも、日々努力することで、福祉事業所で働く道が広がります。就労継続A型事業所で雇用契約を結び、社会保険が適用される働く場です。7月に新設した「IPfactoryぷろぼの」の主な業務は、帳票類のデータ入力です。キータイピングの技能と簡単な簿記知識があれば仕事ができます。この事業は税理士の方のご協力を得て行っています。
街頭募金活動も
東日本大震災で被災した障がい者になにか支援したいと思い、3事業所で街頭募金活動を継続して行なっています。看板やチラシを作り、毎週決まった場所で募金活動をします。元気で大声でご支援をお願いすると、学生さん、高齢の方、おばちゃんそして障がい者も協力してくれます。募金活動の目的やお金の使徒もHPですべて公開しています。これも“働くこと”なのです。
おわりに
私たちは、”障がい者が社会で働くこと”を真剣に考える大切さを感じています。それは人生の夢や生きる目的を自由に考えることからはじまります。そして夢や目的が決まれば、実現に向けて行動することになります。そのために日々の地道な努力が必要になります。
これまで、障がい者が”自立や自律”を実現するために、社会の皆様からご支援と多くの暖かい励ましをいただいています。私たちは、このご恩に少しでも報いることができるように、みんなで知恵をだして前進します。これからも私たちの活動にご注目ください。